ロイター通信が記事の内容を訂正したという話です。
この記事は日本時間の6/26(水)のロイター通信(日本版)に掲載されていました。アメリカと中国の貿易通商の協議は合意に近づいている、90%完了していると、6/26にアメリカのムニューシン財務長官が発言したという内容でした。
私はもちろん「は?嘘やろ?」という反応でした。ここ最近のニュースを見ていても、両国の協議が前に進んでいるような状況ではなかったからです。この発言はアメリカの交渉術の1つなのかなと思い、6/26は寝ました。
翌日、朝起きてニュースをチェックすると、「完了している」を「完了していた」に、「近づいている」を「近づいていた」に訂正しますとのロイター通信の記事が。
これなら納得です。過去に両国間で協議していた時は90%完了していた、という意味です。
ロイター通信でもこういうことがあるんですね。今回のニュースは、題材が世間の超重要事項なので、色んなところからつっこみが入ったと想像します。
ちょっと原文(英文)を見てみます。まず記事のタイトルから。
「U.S. Treasury Secretary says U.S.-China trade deal is 90% done」
6/26のニュース記事でこのタイトルだと、私も「中国との貿易通商協議を再開、この競技は進行中で、それが90%完了している」捉えてしまいます。
次に記事の内容です。インタビューしたCNBCの表現の1つです。
「U.S. Treasury Secretary Steven Mnuchin said on Wednesday that the trade deal between the United States and China is “about 90%” complete」
タイトルを見た後この文章を読むと、やっぱり「協議は再開、すでに90%完了」と同じように考えます。
completeの意味をちょっと調べてみます。こういう時は英英辞典です。ロングマン現代英英辞典でcomplete(形容詞)の意味を調べました。
complete = finished
finished = no longer doing, dealing with, or using something
この説明を見ると競技は「完了していた」、と表現した方がよさそうです。ただ、これは記事が訂正された今だから私も言えることで、訂正がなければ原文を見て「完了している」と私も捉えていたと思います。
余談ですが英英辞典は便利です。英語単語の意味を正確に理解したい時、私は利用しています。日本語へ訳している英語辞書は、無理やり日本語へ訳しているところもありますので、英英辞典は活用できます。ネットで無料で使えますし。
記事の話に戻ります。次は記事内のムニューシン財務長官のコメントです。
「“We were about 90% of the way there (with a deal) and I think there’s a path to complete this,”」
今だったら、「were about」の表現にひっかかります。これだと、もしかしたら過去のことを言っているのかな?と立ち止まります。
ただ、初めにこの原文を読んでしまったら、わかりません。自信がありません。。。翻訳、通訳が必要な仕事は大変ですね。
ちなにみタイトルで使われているdone(形容詞)の意味を英英辞典で調べると、
done = finished or complete
例文:somebody is done (with something) (=someone has finished doing or using something)
例文を見ると、私なら完了している、と捉えてしまいます。一文だけではなく、記事全体と見ないと理解できませんね、私だったら(^ ^; いや、今回の記事は自信がありません。
英語に限りませんが言葉は難しいですね。今回は良い勉強になりなりました。
以上
◆参考文献
1)ロイター通信、"訂正:米中通商交渉は90%完了していた─米財務長官=CNBC"
https://jp.reuters.com/article/mnuchin-china-idJPKCN1TR12V
2)Reuters, "U.S. Treasury Secretary says U.S.-China trade deal is 90% done - CNBC"
3)ロングマン現代英英辞典