7月10日は、パウエルFRB議長のアメリカ下院金融サービス委員会での議会証言、及び6月のFOMCの議事要旨公開がありました。
これらに対する専門家のコメントをまとめた記事がロイター通信に掲載されていましたので、ご紹介します。
◆要約
・クレセットキャピタルマネジメント(シカゴ)の最高投資責任者「フェデラルファンド金利先物は7月末の利下げ決定を100%示唆」
・ナショナルセキュリティーズ(ニューヨーク)の首席市場ストラテジスト「FRBから緩和姿勢を読み取れるのは確か。ただし、7月末までに公表される(インフレ指標、住宅市場指標、企業決算など)各種指標も考慮し、FRBは最終的に判断する」
・レノックスウエルスアドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者「経済は堅調だが、利下げ圧力は高く、FRBの立場は厳しい。ただ私は7月末のFMOCで100%利下げされると確信する。0.25%か0.5%かは?」
・インディペンデントアドバイザーアライアンスの最高投資責任者「パウエル議長の証言の大半は緩和に偏る。利下げ決定の可能性は高い」
・バーグレイズの グローバル物価連動リサーチ部門の責任者「今後公開される各種指標の内容に関係なく、0.25%利下げされる可能性は高い」
自ら「利下げは100%決定」と述べているのは5人中、1人です。3人は「かなり可能性は高い」、残り1人は「後続する経済指標にもよる」と少し慎重です。
私は100%決定だと感じています。今回の議会証言でパウエル議長が「利下げの必要性が高まっている」と発言されたためです。
以前より7月末のFOMCでの利下げ決定は確実と市場では言われていました。もし、ここで「まだ利下げしないよ」とFRBが判断したら、市場が混乱してしまうからです。
7月末のFOMCでどう判断するかまだ不透明な場合、昨日の議会証言で「どうなるかわからないよ」とパウエル議長は発言してくれるはずです。今回そうではなく、利下げ姿勢を見せていたので、利下げは内々には決定していると私は思っています。
利下げの幅は0.25%ですかね。ここへきて、0.5%利下げするのではという意見も3割近くいるとのこと。先日、
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html
今後、0.5%の利下げ派の割合が過半数になり、FRBが0.25%の利下げを決定した場合、市場は多少荒れるんでしょうか?
私だったら市場の声も無視できません。FBR、FMOCの仕事は大変そうです(^ ^;
以上
◆参考文献
1)日経新聞、"FRB、月内利下げ示唆 議事録「近く正当化」"
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47218220R10C19A7000000/?nf=1
2)ロイター通信、"FRB議長が議会証言、利下げへ地ならし:識者はこうみる"
https://jp.reuters.com/article/instantviews-fed-powell-idJPKCN1U52FE