Broadcom(AVGO)は半導体メーカーです。私が気になる銘柄の1つです。同業者を買収し続けて大きくなりましたが、ここ最近はネットワーク機器やソフトウェア等、他事業者を買収しています。
この度、Broadcomに関する記事(7/11付)を読みました。筆者は悲観的な主張をしています。
◆要約
・BroadcomはSymantec(セキュリティ事業)を$22Bで買収しようと同社と交渉中(7/14付けのニュースで破談したと報道される)。この買収が失敗した場合、Tibco Software(インフラ事業)を買収することも視野に。両ソフトウェア企業の事業内容に繋がりはない。
・Broadcomは巨額の買収を続けてきた歴史があり、今は大きな負債を積み上げている。16年初頭の長期借入金は$2Bほどだったが、現在は$32Bにまで増加。
・コア事業は苦労しており、同事業への投資不足は結果に悪影響を及ぼし始めている。現在は他社を買収することで、弱いコア事業を覆い隠している。
・Symantecに続き、さらなる他社買収をBroadcomが追い続けるなら、Broadcom株は避けるべき。
実際の記事の中では、上記3つ目のポイントを財務データを使いながら説明しています。以下はBroadcomのFY14からFY18までの成績です。これを見る限り、私は優良企業だと感じてしまいます。
(出典:Broadcom Presentation)
以下はFY19Q2の成績です。市場の期待値に$180M足りなかったとのこと。また本業(半導体)が生み出す売り上げが減少傾向にあるなか、買収したソフトウェア事業の売上が伸びています。
(出典:Broadcom FY19Q2 earnings release)
Broadcomの株価のチャートを見ると、2013年の後半から現在まで右肩上がりです。現在の予想PERは52倍超、なのに配当率は3.6%ほど。こんな銘柄ほかにあるんですかね(^ ^; リターンも、少なくとも2009年以降はS&P500 indexを上回っています。
次に個別株に投資する場合は、Broadcomも選択肢に入れていました。ただ、値動きが大きいので、手を出しづらいという気持ちがありました。その中で今回の記事に出会ったので、考える良い機会になっています。
この記事を読んだとき、私はライザップを思い出してしまいました。経営陣の方々はやはり右肩上がりの成長を義務付けられているんでしょうか。アメリカの株式市場に上場しているとなおさらプレッシャーはきつそうです。
今回、企業分析記事を読みましたが、分析結果を見て、企業の先行きを想像するのも楽しいなと感じました。ちょっと時間はかかりますけどね(^ ^;
Broadcomはこの先どうなりますかね。この分析記事を読むと、「会社はちょっと無理しているな、この先大丈夫かな?」という不安は出てきます。他社を買収することでしか成長できないのであれば、将来性は厳しいと感じてしまいます。
まあ、たった1つの記事を読んだだけですので、これだけで判断するのは避けます。他の方の分析記事も読んでみたいと思います。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha, "Broadcom: Not What The Market Wants"
https://seekingalpha.com/article/4274320-broadcom-market-wants