9月12日付のロイターの記事を読みました。これまで、市場の期待は利下げ一辺倒に近い状況でしたが、今週に入り始まった国債利回りの上昇が状況を変えています。 その状況を記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・今週に入り、国債利回りが突然上昇。これを受け、市場が利下げを期待するのは間違いである可能性があると、世界の中央銀行(以下中銀)は示唆。この中銀の姿勢をみて、市場は資産の配分を大きく変更。
・イギリス、イタリア、香港、米中関係、それぞれの政治リスク懸念が後退したことが背景にある。
・世界で、年内の利下げの期待は後退している。スウェーデン中銀は利上げ姿勢を保ち、カナダ中銀は利下げに言及無し(結果、10月の利下げ見通しは70%から50%へ低下)。FRBに対する利下げ期待も低下。9月に0.5%下げる確率はゼロに、年内中の利下げ期待も0.7%から0.55%へ。ECB内では、早急で大規模な債券買入策について意見が対立。
・世界の中銀は、①中銀はリスクバランスをとる。市場は期待しすぎるな。②世界経済は後退しているが、それほど悪くない。以上の2点を述べている(アビバ・インベスターズのシニアエコノミスト)。
・(アメリカのCitygroupが算出する)エコノミックサプライズ指数は、1年ぶりにG10各国のプラス幅が大きくなる(アメリカとイギリスはマイナスからプラスに)。ユーロ圏はマイナスだが、そのマイナス幅が縮小。
・政府、市場は課題解決を中銀に頼ってきたが、限界が来ている。世界の中銀は今後も低金利維持政策を表明しているが、体力のない中銀は低金利が続くと経営が悪化する。
・金融緩和だけでは対応できず、財政政策が必要と中銀は政府に訴える。
・市場はどちらかというとまだ利下げ、マイナス金利を期待する。ただ、調整は始まっており、方向性は変わる可能性あり(ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの金利・キャッシュ専門家)。
今週の9月17日、18日にFOMCが開かれます。市場は(8割が)0.25%の利下げを期待しているので、下げないと市場が荒れます。ですので、0.25%利下げされると思いますが、最近は良いニュースが多いので、利下げ派も悩ましいところですね。
9月は0.25%利下げして、思ったより景気は悪くないので、年内の追加利下げは期待しすぎないように、というメッセージになりなますかね、今回のFOMCは。今回読んだ記事から思った私の勝手な推測です。
急に良いニュースが増えてきたような感じですが、気のせいですかね?市場が悲観すぎて、悲観的なニュースが多くなって、私もそれにつられてたのかな。
今回は、突然長期国債の利回りが上昇し始めた直後のFOMCとなるので、パウエル議長のコメントは結構楽しみです。見解を出した後の各銘柄の値動きをみれば、(どの銘柄が買われていくのか)方向性みえてきますかね。
以上
◆参考文献
ロイター、"焦点:中銀が市場にブレーキ、金融政策頼みに「我慢の限界」か"
https://jp.reuters.com/article/central-bank-policy-idJPKCN1VX09C