Nutrien(ニュートリエン)の分析記事を読みました。8/22付のSeeking Alphaの記事です。ビルゲイツの資産を運用するカスケードインベストメントも保有する銘柄です。以下、記事の要約です。
◆要約
・ニュートリエンは長期的な成長が期待できる事業を複数を保有する。
・同社は栽培者へ肥料を供給する。作物向け肥料では世界最大の企業。世界の人口増に伴い、今後30年間で窒素有機化合物の需要は50%増加すると見込まれる。一方、農地面積は25%減少すると予想される。このため、生産者はより効率よく生産することを求められる(より効果的な肥料が必要になる)。
・ニュートリエンは1,700の小売り店舗を運営。同店舗は生産者にワンストップサービスを提供する。この小売部門は同社売上の67%を占める。同社はまた3,300人の農学者を雇用。生産者と一緒に活動することで、生産者が成功するために必要なものを理解することができる。
・銀産業は景気サイクルの底にあり、次は大幅な上昇が期待できる。
・ニュートリエンのカリウム部門、窒素部門は、いずれも世界需要の増加と共に安定した売り上げ増が見込める(下記グラフ1、グラフ2参照)。同社はカリウムの生産で世界一位。
・極端な天候変動は同社のリスクの1つ。2019年H1の小売部門の売上は前年同期比で2%増だが、今年の初めは天候が悪く、想定よりも業績を落とした(同社の歴史で最も悪い植付シーズンだった)。その他、米中関係悪化による作物の輸出減、競合との競争激化がニュートリエンのリスク。
・バリュエーションはニュートリエンよりも、競合のモザイク(MOS)の方が良い(下記表参照)、ニュートリエンは競合のモザイク(MOS)よりも株価は高いが、正当な価格で取引されている。キャッシュフロー、配当率も勝る。
・ニュートリエンは競合のモザイク、CFインダストリーズ(CF)と比較し、最も大きい小売りネットワーク、カリウムの生産で世界一位というアドバンテージを持つ。
・潤沢なキャッシュフローは配当維持、配当増に繋がるだろう。
<グラフ1>
(出典:Nutrien 2018 Annual Report)
<グラフ2>
(出典:Nutrien 2018 Annual Report)
<表>
|
Nutrien |
CF Industries (CF) |
|
Forward PE |
16.2 |
9.7 |
16.3 |
Price to Sales |
1.5 |
0.78 |
2.24 |
EV/EBITDA |
9.57 |
6.12 |
9.72 |
(出典:finance.yahoo.com)
ニュートリエンはカスケードインベストメントのポートフォリオの中で構成比率第10位です。私は全く知らない業界でしたが、あまり難しい商品ではないせいか、この記事の内容はすっと頭に入ってきました。
人口増=肥料の需要増という構図はわかりやすいですね。将来のどこかで人口増が鈍る段階が出てくると思いますが、並行して農地面積減=より効果的な肥料が必要になるという需要が出てきているはずなので、安定した成長が期待できそうです。
肥料はもうかるんでしょうかね?開発費は高いが、原材料は安いという化粧品や薬品と同じイメージがあります。推測ですが。
将来、肥料の競合なんて出てくるんでしょうか?以前、食べ物を出力する3Dプリンタを紹介するTV番組を見たことがあります。色んな物資を混ぜ込んで食べ物を作るというプリンタです。
将来、このプリンタが普及することがあれば、肥料の競合になるのかな。ニュートリエンがこの3Dプリンタ向け物質を供給することができれば、分散投資で肥料の需要減のダメージは和らぎそうです。
ニュートリエン株の配当率は9/26時点で3.6%と非常に良いです。尚、同社は2018年1月に上場、ここまで株価は上下を繰り返し、上場時とあまり変わらない状況です。株価が上昇していないという点が気になりますが、2018年の株式市場は厳しかったので仕方がないかもしれません。
この株は気になります。要チェックです。今は株価も安い水準で買うには良いタイミングかも。資金が厳しいな(^ ^; ひとまず同銘柄は買いたいリストにいれます。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha, "Nutrien: Strong Long-Term Dividend Stock"
https://seekingalpha.com/article/4287382-nutrien-strong-long-term-dividend-stock