9/27付のCNBCの記事を読みました。アメリカのジョージタウン大学が主催したイベントで、前FRB議長であるイエレン氏が講演された内容が記事になっています。以下要約です。「」内が、イエレン氏が発言された内容です。
◆要約
・FRBはアメリカの長期成長予測を1.9%と見込む。経済が少なくとも3%成長し続けた過去の数十年と比較し、1.9%成長は輝きがない。
・「FRBが予測するアメリカの長期的な成長(年1.9%)は楽観的。アメリカ経済は以前ほど力強くない」
・「まず、年0.5%という労働力の伸びは過去数年と比較し、数字が小さい」
・「それから、労働力の平均学歴の伸びが以前ほどではない。学歴の伸びは経済成長を高める」
・「最後に、アメリカの生産性は何年も低いまま(2015年以来、生産性が2%以上になったのは4四半期だけ)」
・19年Q2は個人消費のおかげで、2%成長した。しかし一方、企業投資は1%成長。
前FRB議長の話なので、信頼度が高いです。こういう話を聞くと、さすがのアメリカも、もうそろそろ景気後退に突入するのかなと身構えてしまいます。
今回のイエレン氏の話はマクロ的な内容ですが、勉強になります。指摘されている労働力、平均学歴、生産性、確かに全て大事ですね。何が要因なのかわかりませんが、何れもすぐに改善するのは難しそうです。
米中関係は良くなったり、悪くなったり、方向性がよくわかりません。その中で、アメリカが中国への投資制限を検討しているというニュースが報道され(一部内容は否定されていますが)、市場の雰囲気は悪くなっています。今回のイエレン氏の発言もよくない情報です。
先日読んだ記事で、10月から始まる主要企業の決算発表内容が悪いと、投資家心理が悪化するということが書いていました(以下ブログ記事です)。タイミングが悪いと(他に良いニュースがないと)、株価が大きく下がるという可能性も本当にありそうです。
https://www.investmentandownbusiness.com/entry/2019/09/29/101900
次のFOMCは10月末です。(CMEのFedWatchツールで確認したところ)現時点では、市場は利下げしない派が59:41で優勢です。今回のイエレン氏の発言が援護射撃となってFOMC内で利下げ派が増えますかね?
今の状況だと株価が大きく下げる可能性もありそうなので、しばらくは様子見かな。確かに、10月から始まる決算発表がカギになりそう。今後の見通しを企業が語ってくれますので。株式投資を始めて1番気になる決算発表シーズンになりそうです。
以上
◆参考文献
CNBC、"Former Fed Chair Yellen says central bank is being too ‘optimistic’ about US economy"