10/2付のロイターの記事を読みました。今、市場で人気のあるパッシブ運用に対して、批判的な考え方もあるよと筆者が訴えています。以下記事の要約です。
◆要約
・19年8月、アメリカではパッシブファンドへの投資額が、アクティブファンドのそれを上回る。後者への投資額は10年前の75%から49.9%へ減少(モーニングスターリサーチ)。
・アクティブファンドの減少は、市場を上回る結果を継続的に出せるマネージャーがほとんどいないことが理由。
・パッシブ運用は(手数料や取引コストの負担が大きかった)小口投資家を救う。
・プロの投資家(アクティブファンド)は市場との近さを活用、小口投資家(素人投資家)を利用し、不当に利益を得る。これが、パッシブ運用の台頭により、活用できる銘柄が減少、アクティブファンドが劣勢に。この点でも小口投資家は助けられている(8月の前年同期比の上昇率は、S&P500指数の17%に対し、北米ヘッジファンド指数は6%)。
・パッシブ運用が不利になる面も。①(市場を追うコンピュータプログラムが運用すれば)自社株買いや新株発行への参加判断に不利。②(新株発行市場への不参加により)株式市場への投資金額減少。③物言う投資家、企業監視の投資家の減少。④パッシブ投資家の投資企業への無関心さ。
・(パッシブファンド最大手の)ブラックロックは前述の④を改善したいと考えているがハードルは高そう。
・パッシブ投資家は、収入の最大化だけが目的、意思を持たない、市場に新規資本を提供しない。世の中には、これらの姿勢を批判する人々がいるかも。
・アメリカ大統領選挙の民主党候補エリザベス・ウォーレン上院議員は、大きな金融改革を公約とする。現時点でパッシブファンドは攻撃されていないものの、同運用支持者には積極的に活動することをお薦めする。
初めは、(アクティブファンドを支持するため)パッシブファンドを非難する内容かなと思ったのですが、記事を最後まで読むと違っていました。パッシブファンドを批判する考え方もあるよということを投げかけています。私が今まで考えたことのない観点でした。
収入の最大化だけが目的、意思を持たない、市場に新規資本を提供しない、筆者の言うことは私に全て当てはまります(^ ^; 私は自分が購入する銘柄が、将来どの程度の利益を生み出し、その利益がどの程度安定して入ってくるか、という視点でしかみていません。
(投資資金以外に)投資する企業に対し責任を持ってくれと言われても無理です、興味はありません(^ ^; 無責任だなと言われると反論できません。
市場からの非難の声が大きくなると、規制が入る可能性もありますね。将来、パッシブファンドが強くなりすぎると、起こりえます。
今回の記事は面白かったです。何事にも反対の(異なった)意見があるんですね。アメリカらしいです。そういえば、ハイテク企業も色々攻撃されていますしね。強すぎると、どこかで調整がはいるようです。パッシブファンドが議論の対象になる日もそう遠くないかも。
以上
◆参考文献
ロイター、"コラム:功罪あざなうパッシブ投資、「株主民主主義」に重い課題"
https://jp.reuters.com/article/brrekingviews-hadas-passive-idJPKBN1WI0E2