10/23付のBloombergの記事を読みました。半導体メーカーであるTexas Instrumentsの決算内容についてです。同社の19年7~9月の決算は、純利益が$1.43B(予想$1.57B)、売上が$3.77B(予想$3.81B)と、予想を大きく下回りました。以下、記事の要約です。
◆要約
・10/23、Texas Instruments(以下TI)の株価は7.5%下落。ここ11年近くの間で、最も大きな下落幅となった。19年7~9月期の決算発表で、同社が予想を下回る結果を発表したことが要因。また、貿易戦争がユーザーをかなり用心深くさせていることも同社は警告。
・2019年、投資家は半導体の需要回復を期待し、半導体メーカー銘柄へ投資。しかし、米中貿易戦争が悪影響を及ぼし、市況の回復はなかった。
・TIは幅広い製品群を持っており、電子部品が必要な市場を全てカバーする。この事業特性と、同業界で同社が19年7~9月期の決算発表を初めに行ったということで、同社の決算内容が(半導体に限らず)幅広い業界の業績を予想する1つの指標となっている。
・19年7~9月、TIの顧客となる市場のほとんどは悪化。中でも、自動車と通信機器市場の需要が最も弱かった。顧客は米中が合意するのを待っている。それまで彼らは注文数を減らす(TIのCFOコメント)。
・TIは10万以上の顧客、同等種類の製品を持つ。注文の減少はシェアの低下ではなく、経済が弱くなっていることを意味する(TIのCFOコメント)。
・TIの顧客は現在在庫消化中。通常、在庫(発注残含む)は5四半期でなくなる。19年7~9月は4四半期目であった。同社の決算内容には、市場が期待した市況改善のサインが見られなかったため、今回の株価下落に繋がる。
・今回のTIの決算内容は、その他半導体関連企業、及びその他市場にとって悪い兆候(金融サービス会社Edward D. Jones & Co.のアナリスト)。
要約といいつつ、結構な文章量を訳してしまいました。それだけ、それぞれの文章の内容が気になりました。
悪い情報ばかりの記事でした。まだ景気回復の兆候は見られないこと、そして米中が合意するまでは顧客が注文数を減らすというCFOのコメントが気になりました。
Texas Instrumentsは面白い会社ですね。半導体業界に限らず、企業業績の指標になっているというのは興味深いです。今後、同社には関心を持ちたいです。
ただ、この指標を信じると、景気は来年も厳しそうです。株式市場というよりも、私が勤める会社の業績が気になります。来年の賞与は減っちゃうかな(^ ^;
半導体メーカーの銘柄は1つくらいは購入してみたいです。配当率が高いんですよね。今回のTexas Instruments(TXN)は約2.8%、Broadcom(AVGO)は約3.8%、Intel(INTC)は約2.4%、Qualcomm(QCOM)は約3.2%です。以下は分析記事を読んで書いたブログ記事です。
AVGO:
https://www.investmentandownbusiness.com/entry/2019/07/17/081224
https://www.investmentandownbusiness.com/entry/2019/09/10/082726
あとXilinx(XLNX)というメーカーもあります。これは5Gブームの影響を大きく受けて、割高になっている可能性があるため、私は優先度を下げます。また、配当率も約1.6%と見劣ります。
まだ、半導体メーカーの業績は上向かない、同銘柄の株価はまだ下がると考え、しばらくは様子見します。来年くらいが底と思いたいですが、米中が合意するまでは厳しいんじゃないのというTIのCFOのコメントが最後まで気になります(^ ^;
以上
◆参考文献
Bloomberg, "Texas Instruments Sinks as Customers Cut Orders on Trade Woe"