10/26付のReutersの記事を読みました。Wells Fargoが従業員を200人以上レイオフしたという内容です。同行の人員の集中管理についても言及されています。
◆要約
・Wells Fargoは直近の数か月で、融資グループに所属する200人以上をレイオフ。ほとんどが商業銀行部門からで、さらにその中の多くが農家を担当していた。投資銀行部門に所属するエネルギー業界担当からも(22人を)レイオフ。これらの動きはビジネストレンドに即したもの。
・レイオフの対象となった農家担当者の多くは、ノースダコタ州、サウスダコタ州などの農村地区担当。
・このレイオフ(貸出金削減含む)により、エネルギー企業、及び資金に余裕のない農家は打撃を受ける。特に、春の植付作業向けに資金調達を検討している大豆、とうもろこし、穀物農家にとってはタイミングが悪い。
・Wells Fargoの商業部門(アメリカ)には約6,000人の従業員が所属する。
・Wells Fargoは業界で農業セクター向け融資額がNo.1。今後もこのポジションは維持する戦略。同行は同行内の人員が集中して集まるグループの中に、農業担当のグループを作る計画。現在、カリフォルニア州、ワイオミング州、アイダホ州で人員の採用活動中。
・農業セクター向けリソースの削減は大手銀行ではトレンドで、その他大手銀行は先んじて実施中。
・Wells Fargoは伝統的にオイル、ガスセクターにも積極的に融資してきた。2016年、原油価格が(1バレル$26に)暴落し、同行は多額の損失を被る。未だ損失をカバーできていない。かつて、同行にはEnergy Capital Groupがあったが、今は解散、同業界には力を入れていない。
・ただ、完全にエネルギー業界向け業務から撤退してはいない。直近の3年間は同業界向けビジネスは拡大していたとのこと。
・Wells Fargoは事業の集中管理に取り組んでいる。過去、同行の営業活動の不祥事が起こったことが背景にあり、2016年以来、同行社員を監視下に置き、リスクコントロールを改善している。
・Wells Fargoの大口銀行業の売上は前述の不祥事以来、毎年低下。2019年1~6月期も前年比で2%低下。その不祥事をきっかけに、同行は新規ビジネスを惹きつけるのに苦労している。
ここ最近、私は特定企業に関するニュース記事にも目を通すようになりました。業績だけでなく、企業の事業内容も(多くはありませんが)併せて書いてくれていることもあるので、勉強になります。
企業のことを勉強するために、Seeking Alphaなどで毎回文章量の多い記事を読んでいると大変ですからね(^ ^; 日々のニュース記事は情報量も適度で、少しずつ学びたい私には適しています。
Wells Fargoは今回のレイオフで、農家担当者を多く削減したとのこと。この動きは銀行業界ではトレンドということなので、農業市場が縮小しているのでしょうか?そうであれば、米中貿易戦争の影響ですかね。
エネルギー業界担当者も削減したとのこと。そういえば、シェールガス生産企業への融資が滞っているというニュースを最近見たような気がします。原油の価格もなかなか高止まりしないこともあり、同市場も伸び悩むと見込まれているのでしょうか。
それから、従業員を監視下に置き、管理するということ。Wells Fargoは数年前にやらかしましたからね。行政から指導が入っているのでしょう。ちゃんと実行しているんですね。
記事は最後に悲観的な内容で締めくくっています。確かに私が以前によんだWells Fargoの分析記事も、復活まで時間がかかるよと言っていました(以下、そのブログ記事です)。 ただ、FY19Q3の決算内容が好感されたこともあり、最近同行の株価は右肩上がりです。
https://www.investmentandownbusiness.com/entry/2019/09/18/081341
企業のレイオフの動きをみると、ビジネスの流行り廃りが少しは掴めそうです。今後はレイオフに関するニュースにも目を向けたいと思います。
以上
◆参考文献
Reuters, "Exclusive: Wells Fargo lays off more than 200 business bankers in U.S. - sources"