11月22日付の日経新聞の記事を読みました。化石燃料だけでなく、天然ガスも将来性がないと欧州投資銀行(EIB)が判断したという記事です。以下要約です。
◆要約
・欧州投資銀行(EIB)は(石油、石炭など)化石燃料関連企業への新規投資を2021年末に停止する。環境だけでなく、金融市場へも影響がある。
・化石燃料関連事業は次の20~25年間で消滅、その他事業にシェアを奪われる。温暖化対策にも貢献しない。このような状況下では投資できない。再生可能エネルギーがエネルギー業界の中心に(EIB)。
・EIBからみると、天然ガスも置き換えられる資源。市場は天然ガスを、化石エネルギーから再生可能エネルギーへの中継ぎとみていた。このEIBの見解が支持されるようになると、天然ガス事業へ投資している金融機関は将来損失を被り、さらにフィデューシャリー・デューティー(Fiduciary Duty、顧客本位の業務運営)を果たさなかったと訴えられる可能性あり。
・現在石炭は、安価な天然ガスにシェアを奪われている。ポーランドでは裁判所が、ある電力会社に対し新しい石炭発電所の建設を禁止すると通達。これは今後、石炭発電は経済面で競争力がなくなると判断したため。(炭素税などが導入され)温暖化ガス排出量に応じた費用負担が世界で必要となっていることが背景にある。
・企業には環境リスクを公開する義務あり(環境問題専門の弁護士集団クライエントアース)。
石油、石炭、天然ガス、後進国での需要もありますので、今後需要がなくなるとは思えません。
ただ、欧州投資銀行のように規模が大きい組織が今回のような方針を実行すると、石油、石炭、天然ガスを事業とする企業には資金が集まらなくなります。言い換えると、リターンが低く(もしくは元本割れに)なります。
石油企業が事業の多角化を狙い、再生化エネルギーを事業にすると、新たなお金の木を生み出すことになります。ただ、石油企業には投資しないという投資家が多くなると、利益は稼げても、株価は上昇しづらくなりますね。
エネルギー企業へ今から投資するなら、世の中の資金が支持している企業を選びたくなります。再生可能エネルギーにもこれから障害が出てくる可能性がありますが、記事内で出てきた20~25年後だと、エネルギーの主役に躍り出ている可能性は十分あります。
ちょっと、エネルギー企業にも関心を持ってみますかね。(ビルゲイツの資産を運用する)カスケードインベストメントも投資するSolarEdge Technologies (SEDG)という企業があります。上場から約5年が経過しており、株価は$76くらい。変動率はそこまで高くなさそう。ただ、配当がありません。
私はエネルギー業界のことをさっぱり理解していないので、まずはこの企業をきっかけに学んでいきたいと思います。
以上
◆参考文献
日経新聞、"[FT]天然ガスは「座礁資産」か、EU決断で議論"
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52467600R21C19A1EE9000/