12/11付の日経新聞の記事を読みました。ゴールドマンサックスが小口顧客向けに資産運用サービスの提供を始めるという内容です。以下、記事の要約です。
◆要約
・2020年より、ゴールドマンサックスは子会社(ユナイテッド・キャピタル・ファイナンシャル・パートナーズ、以下ユナイテッド)を通じ、(資金が$5,000~$15,000程度でも利用可能な)小口顧客向け資産運用サービスを開始する。同サービスはロボアドバイザーを使用する。最低投資額は未定。
・同サービス提供の目的は、ゴールドマンサックスを体験してもらうこと、将来の顧客開拓(ユナイテッド)。
・ゴールドマンサックスはオンライン銀行「マーカス」も運用中。同銀行の事業は、欧米の個人向け預金口座と融資。従来の事業縮小をカバーする多角化の一環。来年はイギリスで投資口座サービスの提供を開始する(運用は投資先のデジタル資産管理アドバイザー「ナツメグ」を介す)。
・1/29、インベスターデイが開催予定。これは投資家向け説明会で、ゴールドマンサックスは同社の新ビジョンを提示予定。これまでの投資銀行、トレーディング業務に加え、中小口顧客事業、キャッシュマネジメント事業の強化を打ち出すと推測される。
・中小口顧客事業そのものよりも、同事業と大口顧客事業を結びつけることを市場は期待している(JMP証券)。
・ユナイテッドの顧客は、子供がいる人、自分より資産が少ない人と交流する人が多い(ユナイテッド)。
・また、ユナイテッドの顧客はブランド好き。そのため、他社ロボアドバイザーよりも資金は多くなると予想(ユナイテッド)。
資産運用管理サービスの話でした。最近では日本でも同種のサービスのニュースを見かけます。TVCMさえやっています。
ゴールドマンサックスは資金が$5,000~$15,000程度のユーザーも顧客対象にするとのこと。この程度の金額であれば、日々の生活にも困る層以外は誰でも対象になりますね。
運用もロボアドバイザーに任せるということなので、資金さえ集めることができれば、この手のサービスは結構おいしいビジネスになるんじゃないかと推測します。アメリカの株式市場で取引されているETFと違い、この手のサービスは手数料が高いですからね。
若年層がターゲットでしょうか。あとは、資産を増やしたいけど、自分で考えない人(丸投げしたい人)とか。
ゴールドマンサックス(実際には子会社経由)のサービス提供の目的は、ゴールドマンサックスを体験してもらうこと、及び将来の顧客開拓とのこと。この表現を見る限りは、ゴールドマンサックスというブランド力でユーザーを惹きつけたいというのが見て取れます。
ブランド力で中小口顧客からも資金を集め、手数料をかせぎ、同顧客が将来大口顧客になってくれたらラッキーというところでしょうか。子会社を介すのも、ブランド力に傷がつかないようにしているのかな?
顧客が資産運用サービス会社を選ぶ基準はリターンとコスト、使いやすさ、信頼度(ブランド)というところでしょうか。リターン、使いやすさでは差別化は難しそう。となると、できるだけ資金を集め、コストを下げるのが手っ取り早い差別化でしょうか。この資金集めの際、ブランド力が効きそうです。同社のビジネスがうまくいくかわかりませんが、気にかけていきたいと思います。
以上
◆参考文献
日経新聞、"[FT]米ゴールドマン、一般向け資産管理サービス参入へ"
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53172230Q9A211C1000000/