12/19付のReuterの記事を読みました。アメリカでは(感謝祭翌日の)ブラックフライデーが年末商戦の始まりと考えられています。このブラックフライデーが、1年間で1番小売売上高が多い日なのですが、今年は(クリスマス直前の土曜日である)スーパーサタデーがそれを上回ると見込まれています。以下記事の要約です。
◆要約
・ここ数年間、スーパーサタデー(今年は12/21)の売上が急増中。
・小売コンサルタント企業のカスタマーグロースパートナーズは、今年のブラックフライデーの売上高が315億ドルなのに対し、スーパーサタデーの売上高は340億ドルと見込む(ガソリンスタンド、レストラン、カーディーラーの売上高除く)。
・実店舗を利用するユーザー数は減少しているものの、客単価は上昇(カスタマーグロースパートナーズ)。
・個人消費は堅調。賃金上昇、失業率低下、そして(予想に反し)小売業者の価格維持が背景にある(小売業コンサルタント、アナリスト)。
・スーパーサタデーの売上急増は、年末時の消費急増時期のずれ込みを意味し、小売業者は実店舗をクリスマス直前までオープン。さらに実店舗の従業員増で対応している。近年、オンライン需要増→倉庫人員増というトレンドであったが、今年は逆。
・消費者は以前よりも商品選定に時間を費やし、その後実店舗を訪問する傾向にある。小売業者は実店舗での「体験」に投資、売上増に繋げている(小売業アナリスト)。
・店が扱う商品の紹介、予算内の商品発見を、消費者は実店舗で店員に助けを求めている(雇用調査企業チャレンジャーグレイアンドクリスマス)。
・今年の11月~12月の売上は、前年比3.8%~4.2%増の7300億ドル前後と見込まれる(全米小売業協会)。過去5年間の平均3.7%増を上回る数字。
アメリカの小売りトレンドに変化が見られるよという内容でした。
消費急増時期が年末にずれ込んでいるのはなぜでしょうかね。消費者がブラックフライデーを特別視しなくなったのでしょうか。理由は今回の記事には書いてはいませんので、その内誰かが解説してくれることを期待します。
実店舗を訪れる消費者数が減る一方で、客単価が上昇する理由は推測できます。購入金額が少なく(価格の安さを重視し)、ウェブ端末を扱えるユーザーはオンラインに流れているのだと思います。
消費者の習慣が変化していくのは興味深いです。お金の流れに関わりますので。毎年、アメリカの(ブラックフライデー以降の)年末商戦向けに製品を供給する日本の企業は恩恵を受けられそうです。もちろん、市場のパイが増えているということが前提ですが。
今回のニュースは安心させてくれる内容でした。年末商戦は好調でアメリカの消費者心理は良さそうです。
以上
◆参考文献
Reuter、"米「スーパーサタデー」、今年最大の売り上げも 各社とも顧客体験重視"
https://jp.reuters.com/article/usa-holidayshopping-idJPKBN1YM23J