1/20付の日経新聞の記事を読みました。アルファベット(グーグル)の子会社であるウェイモの話です。ウェイモは自動運転業界の草分け的存在で、この記事は同社が同業界でやろうとしていることを解説しています。以下要約です。
◆要約
・アルファベットはAIを使った自動運転の研究で世界をリード。従来からの自動車産業に関わる企業にとっては脅威。同社は自動運転事業を子会社化し、「ウェイモ」として運営する。現在、自動運転業界はプレイヤーが多すぎる(下記図参照)。
<図>自動運転業界に参入する企業
(出典:日経新聞)
・ウェイモは自動運転車向けにソフトウェア、及び部品を開発する。ソフトウェアはルノー(フランス)、ジャガー・ランドローバー(イギリス)、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA。欧米)等と提携。
・ウェイモの事業は自動運転と配車サービスを組み合わせたもの。競合はウーバー。同社も自動運転の研究、開発を行う。
・LiDAR(ライダー、高性能センサー)という部品の外販をスタート。ベロダイン・ライダー(アメリカ)が競合。
・ウェイモの強みはアルファベット傘下のAI資産を活用できること。例えば、ディープマインド(イギリス)と、画像の認識、識別を研究中。
・ウェイモは研究、開発に機械学習(コンピュータが自主的にデータから反復的に学ぶこと)を活用。現実世界のデータだけでは不十分なため、シミュレーションソフトも利用。同ソフトを使用することで、同社は常に25,000台の車を走らせ、研究していることになる。
・自動運転研究用データの売買市場も存在する。アメリカのスタートアップ、スケール社はデータを収集、作成する企業。画面上の映像に(対象の物体が何なのかを説明する)ラベルを付ける作業を行う。一部データを無償で公開する企業も(ウェイモもその1社)。
・ウェイモはソフトウェア、部品を研究、開発、販売する。自動車産業界のAndroidとなる可能性あり。自動運転車そのものは開発しない。自動運転車向けソフトウェア、部品を開発する企業にとってはウェイモは競合。
・自動車のシェアリング需要が高まり、(ウェイモ、ウーバーのような)配車サービス企業が自動車を大量に購入するようになれば、自動車そのものはコモディティ品(差別化が難しい商品)になりうる。
・ウェイモはアメリカのNo.1自動車ディーラーのオートネーションと提携。同社をメンテナンスや修理の拠点として使用する計画。自動運転車は数十万キロ走らないと採算は取れないだろう。よって、メンテナンス、修理の需要が今よりも期待できる(オートネーション)。
・アメリカのレンタカー企業であるエイビス・バジェット・グループは、ウェイモのロボタクシーの燃料補給と洗車を担う。
・ウェイモは自動運転車を使った配車サービス「ウェイモ・ワン」を提供中。ただし、地域限定で、運転者付きのため、市場にとっては期待外れ。
ウェイモが自動運転業界でどんな事業を行っているのか、概略が掴めた記事でした。
データ売買は私もニュースで見たことがあります。私が見たものは、中国の農村部でデータが集められ、加工され、かなり安価に中国企業はデータ収集を行っているというものでした。
自動車のシェアリングが広まれば、自動車そのものはコモディティ化する可能性があるというのは私も同意します。個人の車そのものに対するこだわりが薄れ、自動車メーカーからすると、差別化が難しくなります。
また、車を買うのが個人ではなく、企業側になると、企業はコストを下げるため、同じ車種を買う傾向になると思います。となると、自動車メーカーも生き残り競争がより激しくなりそうです。
自動運転車になると、メンテナンス、修理の需要が増えるというのは意外でした。接触、衝突事故が減るので、逆に減るのかなと思っていたのですが、車1台当たりの走行距離は増えるはずなので、メンテナンス、修理の需要が増えると関係者はみています。
機械学習というのもすごいですね。コンピュータが自動的に研究を進めているとのこと。私にとっては新しい言葉です。こういう手段を使って企業は商品の研究、開発スピードを加速しているんですね。
自動運転業界のことは私はまだよくわかりませんが、アルファベットにはアンドロイドの実績があるので、ウェイモにも期待しています。超巨大企業で、資金も豊富、グループの資産を活用できるので、同業界の主役の1社になるのかな。アルファベット株もその内、ポートフォリオに入れたいと思います。
以上
◆参考文献
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54423040V10C20A1000000/
https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/machine-learning.html