1/31付のSeeking Alphaの記事を読みました。Verizon Communications(VZ)の分析記事です。筆者は同社株の購入を推奨も否定もしない、中立的な立場から解説しています。以下要約です。
◆要約
・ベライゾンの株価は$60をなかなか超えない。無線通信の周波数の割り当て競争、及び具体的な5Gのメリットが欠けていることが背景にある。配当率は4%へ低下、まともなリターンを生み出すのに苦労している。
・5Gの需要は増えてはいるものの、ベライゾンの売上の成長には繋がっていない。同社の2020年の売り上げ予想は1.5%増。5Gの恩恵を受けるのは2022年以降。
・ベライゾンの2019Q4の決算結果は投資家を失望させるもの。売上は市場予想を上回ったものの、EPSは$0.02下回る。主要要因は契約数の成長鈍化。2019Q4の契約数は1年前と同じ94.5M(下記グラフ1参照)。T-Mobile(TMUS)、Comcast(CMCSA)など強力な競合も存在し、競争が激しい業界。
<グラフ1>契約者数の推移(単位:M)
(出典:Verizon Communications)
・ベライゾンは顧客数、売上の増加なしに5G事業を立ち上げたので、EBITDA(税引き前利益)は減少(下記グラフ2参照)。 同社自身も、5G事業から収益が見込めるのは2022年と予想する。
<グラフ2>ビステオンのワイヤレス事業業績
(出典:Verizon Communications)
・過去5年間でS&P500指数が62%上昇したのに対し、ベライゾンの株価は29%の上昇に留まる。
・19年12月末時点でベライゾンには$111.5Bの債務がある。年間の配当金が$10B、設備投資が$17.9B、手元に残るフリーキャッシュフローは$7.8Bのみ。無線通信の割り当て周波数獲得に支出が必要となると、さらに現金は減る。
・現金が少なくなると、債務の支払いへ回す現金が少なくなり、また自社株買いも制限される。同社は自社株買いを発表するも、資金はまだ確保できていない。
・今後数年間、投資家がベライゾン株購入に強気になる理由はない。無線通信セクターは売り上げの成長があまり見込めないにもかかわらず、競争が激しい。同社がさらなる成長のネタを見つけるまで、同社株への投資比重を大きくすることは推奨しない。
売上、特に利益の成長が厳しそうですね。5Gが浸透してくると成長は期待できるんでしょうか。この辺りはわかりません。
現状の事業内容では今後の成長はあまり期待できないので(目先は5G次第)、現時点では、ベライゾン株は惹かれる銘柄ではありません。配当率は4%と高いですが、同じ配当株なら私は他社銘柄を選びます。
ただ、私はベライゾンのこと、この業界のことに詳しくないので、また今後調べてみたいと思います。今回の記事は事業内容の詳細まで触れていないので、この点が知りたいです。
また、5Gが浸透することで、プロバイダーのベライゾンがどの程度もうかるのかもよくわかりません(^ ^; まだ勉強が必要です。
以上
◆参考文献
Seekig Alpha、"Verizon: $60 Lid Remains"
https://seekingalpha.com/article/4320702-verizon-60-lid-remains