2/10付の日経新聞の記事を読みました。新型コロナウイルスの被害は拡大する一方ですが、先週のアメリカ株式市場は値を大きく戻しました。その背景を解説する記事です。以下要約です。
◆要約
・経験則から災害、疫病発生時、株式相場は大きく下げない(JPモルガン証券)。
・短期筋は1/20~2月中旬の間、株価指数先物や原油先物を売り、アメリカ国債の買いを続ける予定だった。市場のリスクオフが進むと判断したため(野村証券)。
・しかし、短期筋は計画を急遽変更。(ファンダメンタルズ分析を重視する)ヘッジファンド勢の購入姿勢が強かったため(野村証券)。
・景気下押しは一時的。GDPは1~3月期に4.0%まで下がり、来年の同時期には7.3%まで回復すると見込む(下記グラフ1参照)。中国国内の需要時期が後ろにずれるだけ(SMBC日興証券)。
<グラフ1>中国の前年比GDP成長率
・米中貿易協議の第一段階合意で、アメリカ製造業他、世界景気の底入れ感が見えてきていることも株価上昇の一因(下記グラフ2参照)。今は(3年という)世界景気サイクルの上昇況局面にあり、この上昇は新型コロナウイルスによる一時的な景気落ち込みよりも強い(JPモルガンアセットマネジメント)。
<グラフ2>アメリカ製造業の購買担当者景気指数(ISMは、よりグローバル大企業の景気動向の影響を受けやすい)
(出典:日経新聞)
・(年金マネーなど)運用期間が長い機関投資家からの資金が、今回の下落のタイミングで株式市場に戻ってきたという見方もある。これまでは景気サイクルの観点から、同投資家は株式市場から資金を引き揚げていた(下記グラフ3参照)。
<グラフ3>株式ファンドからMMF含む債券ファンドへの資金流出推移
・(米中貿易摩擦が激化した)19年5月より、株式ファンドから債券ファンドへの資金流出が加速。MMF(債券を中心に運用するファンド)は2014年7月末から累計で1兆ドル超の資金を確保。
・まとめると、景気サイクルの好転、株式の高い需要が、新型コロナウイルスによる株価下押しを上回ると市場が判断したため。
・リスクもある。アメリカの長期金利上昇となれば、アメリカ株のバリュエーションの妥当性がなくなり、かなり割高に映る(大手証券会社)。
・今回の株価上昇は、投資家が低金利、金余りの世界がまだ続くと予想することが大前提にある(SMBC日興証券)。そのため、金利動向には注意が必要。
株価が上昇したのは、簡単に言うとたまたま、ということですね。なんかもっと違った理由を期待していましたが、仕方がありません(^ ^;
私個人としては想定外に株価が上昇していたので、今回の記事は私が求めていた内容です。ひとまずすっきりしました。この記事の解説を信じたいと思います。
一つ気になるのは記事の冒頭の専門家の意見です。災害、疫病発生時、株式相場は大きく下げないというのは本当でしょうか(^ ^; 今回、私はそんなニュースに出会った記憶がありません。長期間、大きく下げないということでしょうか?まあ、プロの言うことなので、心に留めておきます。
今回の記事の説明が本当かどうか、今後の株価動向を楽しみにしています。
以上
◆参考文献
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55410390X00C20A2000000/