2/3付のExxon Mobile(XOM)の分析記事を読みました。同社銘柄の購入を推奨する内容です。以下、記事の要約です。
◆要約
・エクソンモービルは石油、ガス業界で最も大きい企業の1つ。同社の事業は同業界の3つの異なったセグメント(上流部門、下流部門、化学部門)から構成される。
・エクソンモービルの2019Q4の決算結果は良いものではなかった。上流部門はよかった。その他は苦しんだ。ただ、これは短期的な結果。長期的には期待できる企業。
・エクソンモービルは3つの企業から成ると考えると理解しやすい。各部門は四半期毎にパフォーマンスが異なる。
・2019Q4の上流部門の収益は$6.14B(2019Q3は$3.31B。下記表1参照)。同部門の数字が良かった大きな理由は同社のノルウェー資産の販売。石油、ガスの生産量増加も要因。
<表1>収益の変化(2019Q3 vs. 2019Q4)
(出典:Exxon Mobile)
・一方、下流部門は前年比で66.8%減少。季節要因による需要減少、及び業界内の供給量増加が要因。収益は$898M。
・化学部門は$335Mの損失。前年同期比は$733Mの収益。市場での供給増、材料費上昇が要因とみられている。
・2019年通してみると、下流部門は$3.69Bの収益下落。北米地域の格差縮小、石油精製からのマージン減少、メンテナンス費増加、前年比の資産売却が主な背景。化学部門は$2.76Bの収益下落。マージンの減少、供給を増やすため経営陣が支出したコスト増が主な要因(下記表2参照)。
<表2>収益の変化(2019 vs. 2018)
(出典:Exxon Mobile)
・プラス面を議論する。エクソンモービルの強みはその規模の大きさと、長い間エネルギー事業を運営してきた実績。規模の大きさから経済規模の恩恵を受けることができ、またエネルギーというコモディティ市場で、同社のように事業規模を大きくすることは簡単ではない。
・投資家が注目すべきものは営業キャッシュフロー。2019年は$29.72Bと前年の$36.01Bから減少。ただ、同業界は変動が大きい。長期的な観点でみることが重要。直近6年間での年間平均の営業キャッシュフローは$32.22B(最高$45.12B、最低$22.08B)。
・同社は現在の立場で事業を運営し続ける力を持ち、株価は安値、また需要は循環するので、より大きなキャッシュフローがやってくる。現在は同社銘柄を購入する良いタイミング。
今回の記事は内容を理解するのがきつかったです。正直、理解しきれない点があったので、要約に含めるのを諦めた内容もありました(^ ^; ちょっと、エネルギー業界を甘く見ていました。あと、同業界関係なく、私には理解が難しい点もありました。
今回はまだまだ勉強が足りないことを痛感しました。心折れず、これからも勉強していきたいと思います(^ ^;
今回の記事で良かったのは、「コモディティ市場で、事業規模を大きくすることは簡単ではない」という指摘です。言われてみれば当然なのですが、普段意識していなかったことなので、私には新鮮でした。
筆者が言うように、長期的に見ると営業キャッシュフローが充実していることは理解しました。同業界で確固たる地位も築いており、心強いです。
ただ、今回の記事を読んでエクソンモービルの株を買いたくなったかというと、そうはなりませんでした。配当が充実しているのは理解しているのですが、将来、株価が上昇(少なくとも現状維持)するという自信が持てません。
現在、ESG投資が支持されており、化石エネルギー銘柄へ資金が集まらないことが不安です。例え、エクソンモービルの業績が良くても、株価は上昇しないのでは?という懸念があります。
同社がESG投資の枠組みに入るような事業を行ってくれると、解決するんですけどね。エネルギー業界の企業も意識はしていると思うので、トップ集団を走るエクソンモービルの動向には興味があります。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha、"Exxon Mobil: Short-Term Pain, But Long-Term Opportunity"
https://seekingalpha.com/article/4321103-exxon-mobil-short-term-pain-long-term-opportunity