3/12のReutersの記事を読みました。同日、アメリカのトランプ大統領が演説を行いました。新型コロナウイルス対策に関する内容です。その内容への専門家の見解が記事になっています。以下要約です。
◆要約
>>MFUG香港
・アメリカの対策の内容は具体性がない。
・給与税の減税は、一時的に大きな効果あり。その他の対策は具体性なし、少ない、そして遅すぎる。
・経済の混乱に耐える必要あり。中国と香港の例から、操業停止の影響も想定できる。今後、どの程度経済が混乱するかは、市場はまだ完全には織り込んでいない。
>>ピクテ・アセット・マネジメント香港(スイスの資産運用会社)
・(イギリス以外の)EUからの渡航停止策の発動は少し遅い。また、アメリカでは新型コロナウイルスの市中感染がすでに起きている。
・(NBA含む)スポーツイベントの中止が今後、アメリカ国民の心理に影響を与えていく。
・原油価格市場の不安定さも懸念事項。こちらはロシア次第。今後の展開によっては、金融、流動面が大きく悪影響を受ける。
・トランプ大統領はリーダーシップに欠ける。
>>ING(オランダの銀行)
・今日の発表が策の一部であればよいが、これ以上なければただのPR活動。
>>みずほ証券
・市場は3,000億ドル(GDPの1.5%)規模の給与減税を期待しているが、トランプ大統領はあいまい。
・減税を行うには議会を通す必要があり、実行には時間がかかる。ブッシュ政権、オバマ政権時も同様。
>>岡地証券
・トランプ大統領の演説は市場の不安を煽る結果に。金価格まで下落し、現金が支持される状況。
・株価がここまで短期間で急落するのは、取引所閉鎖を織り込み始めた投資家がいる可能性あり。
>>アライアンス・バーンスタイン(東京の投資顧問会社)
・アメリカの政策は、大型減税など市場が期待していたものが含まれていない。
・しかし、今年は大統領選挙。トランプ大統領が有利になるような展開を民主党は望まない。そのため、大型減税は期待しにくい。市場は期待しすぎた。
>>トレイダーズ証券
・大統領の演説を聞く限り、アメリカの対応は他国より遅いと感じる。円は102円台で下げ止まらないと、100円を切ってもおかしくない。
>>プルデンシャル・ファイナンシャル(アメリカの金融サービス会社)
・大統領の演説内容は市場にとって期待外れ。給与税減税は民主党次第。
・新型コロナウイルスの封じ込め対策が最大の不安要因。
・トランプ大統領は株価動向に注目している。市場の評価を得るには、新型コロナウイルスを克服する必要あり。
>>ANZ(オーストラリアの銀行)
・市場にとって、EUからの入国拒否は想定外。
・新型コロナウイルスの動向は不透明。そのため、打ち出される対策が十分なのか、市場は判断できず、より多くの救済を求めるようになっている。政治家は苦しいところ。
人によって意見が異なるところはもちろんありますが、共通するのはトランプ大統領の演説内容は期待外れ、という点でした。対応は遅く、大幅な給与税減税を市場は期待していたとのこと。
アメリカがEUからの入国を禁止したことは市場にとって想定外だったと指摘する専門家もいます。確かに2週間の隔離ではなく、いきなり禁止は驚きましたが、私としては想定内でした。ここまでの各国の対策を見ていると、あり得ない話ではありません。
ですので、そこまで株価に反応しなくても、と個人的には思います(^^; 市場はなんでも株価にすぐ織り込むイメージでしたので、今回の反応は意外でした。
今後の経済の展開も市場はまだ完全には織り込んでいないはずなので、今後も大きく下げる可能性は十分ありそうです。新型コロナウイルス起因の悪いニュースが今後もどんどん出てくるはずなので。東京オリンピック延期が発表された時には、どーんと下がるのでしょうか。
一応、投資資金はまだありますが、次の暴落を待ちたいと思っています。
以上
◆参考文献
Reuters、"米大統領の演説受け市場に失望感:識者はこうみる"
https://jp.reuters.com/article/instantviews-us-president-idJPKBN20Z0D4