3/21付の日経新聞の記事を読みました。アメリカの主要都市で移動制限、経済活動制限が始まっています。その影響で、アメリカの様々な産業、GDPに悪影響を及ぼす可能性があると解説する記事です。以下要約です。
◆要約
・先週末、カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ、アメリカの3つの主要都市で外出禁止令が発動される。3州合計の人口は(アメリカ全体の約2割に当たる)約7,200万人、GDPは25%超(下記グラフ参照)。
<表>主要3州の人口、及び主要産業
(出典:アメリカの国勢調査局、商務省経済分析局などの調査結果)
・その他州も移動、経済活動を制限し始めており、アメリカGDPの約3割に影響が及ぶことになる。
・2020年4~6月期のアメリカGDPをドイツ銀行は-13%、JPモルガンチェースは-14%と見込む(下記グラフ参照)。ここからさらに下振れする可能性も。ただ、2020年7~9月期は回復すると見込まれる。2020年通してみたアメリカGDPは-0.6%と予想(バークレイズ、イギリスの金融サービス企業)。
・今回の移動制限、経済活動制限で影響が大きのは個人消費。GDPの7割を占める。生活必需品(光熱費、食費、ヘルスケア等)を除くと、一時的に個人消費の6割が消滅する可能性あり。
・移動制限が長期化すると、不動産市場での調整が強まる可能性あり(ニューヨーク州は世界の主要不動産マーケット)。
・カリフォルニア州の観光産業は年100億ドル。これも大きくダメージを受ける。
・(規制対象外の)小売店でも、レジ前での行動制限、店内への入店制限などで、販売効率が低下(イリノイ州、CVSヘルス)。
・在宅勤務による業務への支障も。金融商品の仲介業はスムーズな取引ができなくなるる可能性あり(JPモルガンチェース)。グーグルはインターネット閲覧ソフトのリリース時期を延期に。業務効率低下が要因とみられる。広告業界は景気後退により、広告収入が下がるだろう(グーグル、フェイスブックは売り上げの過半を広告が占める)。
・過去、アメリカで失業保険への申請が最も多かったのは、1982年10月の69万5千件/週。今回は3/15~3/21で3倍超の225万件と見込む(ゴールドマンサックス)。制限が長期化すれば、失業者はさらに増加する見込み。
・外出禁止令が出ていなくても学校が休みになっている州もあり、どの州も同程度、経済は落ち込むだろう(野村証券)。
一時的にでも、アメリカの個人消費の6割がなくなるというのは衝撃が大きいです。今はまだ予測ですが、時が経つにつれ、現実味が出てくると思われますので、株価はまた一段と下がりそうです。
不動産市場にも影響が出そうとのこと。ホームデポにどこまで影響が出るかわかりませんが、警戒しておきます。追加投資はもうちょっと後にします。
景気後退から広告費が削減され、フェイスブック、グーグルの収益も落ち込む見込みとのこと。両社の株も買いたいですが、これらもまだ下がりそうですね。
1週間での失業保険への申請数が、過去最高値の3倍超という数字も驚きでした。時代が違うので単純には比較できないかもしれませんが、すごい数字です。経済活動の制限がアメリカ全体に広がっていくことを考えると、まだまだこの数字は増えていきそうです。
まだまだ悪い数字は出てきそうです。まだ市場は株価に織り込んでいないと判断し、追加投資は先延ばしにします。
以上
◆参考文献
日経新聞、"米経済、3割休止状態 移動制限で消費や住宅に影響"
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57073770R20C20A3EA2000/