3/22付のCNBCの記事を読みました。株価の大きな下落が続く中、長期投資家はパニックにならず、株を売るべきではないと、過去のデータを基に解説する記事です。以下要約です。
◆要約
・株価が速く動き、大きな損失を生み出している間、傍観し、リラックスすることは直感に反しているようにみえるかもしれない。長期投資家には、嵐が過ぎるのを待つことが利益になる。
・過去のデータをみると、株を保有し続けた方がリターンが高い。下記のグラフ1は株を保有し続けた場合と、10年の間でS&P500指数が最も高かった10日間を逃した場合を比較したリターン。どの10年間も株を保有し続けた場合の方がリターンが高い。合計すると、リターンは164倍の差にもなる(バンクオブアメリカ)。
<グラフ1>
・前述の最も高かった10日間は、一般的に株価の底の後に続いてくる(バンクオブアメリカ)。
・ここまでNYダウ平均、S&P500、ナスダックは、それぞれ最高値から35%、32%、28%下落。
・現在、投資家を怯えさせているのは金融危機のような経済的混乱ではなく、新型コロナウイルス。
・現在は景気後退が避けられない状況。投資家はこの先訪れるかもしれないさらなる損失を避けるため、株式を手放している。しかしこれは、ボラティリティが高い時に取るべき戦略とは全く反対のもの。
・個人投資家はタイミングをみて行動することは避けるべきと、専門家は助言する。タイミングを計ることはプロでも難しい。
・下げ相場は投資する良い機会。下げ相場で買い、それがプラスになるまでは数年かかる(下記グラフ2参照)。
<グラフ2>上げ相場と下げ相場(リターンと、相場の継続期間)
(出典:S&P500、及びNYダウ平均指数)
・現在のような状況下でも、長期投資家は株を売らず保有し続けるべき。下記表が示す通り、時間が解決する(ゴールドマンサックス、バンクオブアメリカ)。
<表>景気後退時のS&P500指数の下落幅、及び最高値に戻るまで要した日数
(出典:RBC US Equity Strategy, Haver, S&P, 1945年分は省く)
・今、市場が注目するのは企業のバランスシート。特にインカム投資家にとっては重要(シティグループ)。同社は公共セクターを推奨する。
・バーンステイン(アメリカンの資産運用会社)も同様の考えで、ナイキやマイクロソフトなど、アメリカを主戦場とし、安定した成長が期待できる企業銘柄を推奨する。
・移動が制限される中、期待される銘柄はペロトン(運動器具企業)、ネットフリックス、アクティビジョンブリザード(ゲームソフト企業)など(JPモルガン)。
・逆に厳しい企業として、BTIG(アメリカの金融サービス会社)はチポトレ・メキシカン・グリル(レストラン)、サーモフィッシャーサイエンティフィック(科学機器、試薬、科学サービス企業)、エクイティレジデンシャル(上場不動産投資信託)などを挙げる。
・しかし、アメリカ株へ長期投資する投資家にとって、ベストはインデックスファンド、ETFを長期保有すること。データがそれを証明する。
長期投資家にとって記事の内容は目新しいものではありませんが、今このボラティリティが高い中、投資経験の浅い私にはちょうどよかったです。
これだけボラティリティが高いと、心も惑わされることもあります。今回の記事はデータが基になっているので説得力があり、動く必要はない(焦って売る必要はない)ことが改めてわかりました。
今回の下げ相場がどれくらい続くかわかりませんが、株価が安い間にできるだけ投資をしたいです。
こうなると、株価が高い時にはできるだけ投資を控えたいですね。次に株価が大きく下落する時に備えたいです。
でも、そうそう株価が大きく下がる時はないので、難しいところです。これからの私の課題です。
以上
◆参考文献
CNBC、"Why long-term investors should never sell stocks in a panic"