4/2付のSeeking Alphaの記事を読みました。半導体メーカーであるエヌビディア(NVDA)の分析記事です。筆者は同社銘柄の購入を推奨しています。以下要約です。
◆要約
・エヌビディアの直近の発表は、新型コロナウイルスが蔓延する最中、同社の耐性、成長見込みを見せた。
・19年11月~20年1月期の決算発表時、エヌビディアは収益見通しを変えず、ゲーム、データセンターの楽観的なトレンドは、前向きなサプライズだった。
・短、長期的にゲーム、データセンターのトレンドは安定しているようにみえる。一方、現在は車向けが厳しい(下記表参照)。現在のマクロ的な環境から、20年2~4月期も大いに期待できる。
<表>エヌビディアの市場別売上内訳
(出典:Company Data)
・ネット上の通信量、クラウド需要が新型コロナウイルスの影響でさらに増加。主要ハイテク企業のクラウドへの設備投資額の年間伸長率は低下傾向であったが(下記グラフ1参照)、同ウイルスの影響で投資額は増加、エヌビディアの需要増に繋がると考える。
<グラフ1>クラウドへの設備投資額推移
(出典:Company Data)
・新型コロナウイルスの影響でゲーム向け需要は特に増加。中国でのゲームユーザー数増加にリンクしている(下記グラフ2参照)。最近では欧米諸国でも同様の動きがみられる。
<グラフ2>中国でのゲームユーザー数推移
(出典:Bloomberg、Apptopia)
・5Gはゲーム市場の次の動力になるだろう。エヌビディアは日本、韓国、ロシアの主要通信キャリアと提携、これらの企業はエヌビディアのクラウドゲーミングサービスGeForce NOWを使用している。
・エヌビディアも新型コロナウイルスの被害を受けている。新製品の発表を中止したり、(カリフォルニア州のベイエリアに本社があるため)在宅勤務を強いられている。
・エヌビディアはとても保守的に、低リスクに、流動性のある資産に投資する。例えばFY20の現金、及び現金同等物は約$11B。この金額で同社の約10年分の販売費及び一般管理費が賄える。
・メラノックス(MLNX)買収完了後でも、同社のバランスシートは現金収入も安定。固定費も十分カバーされる。
・エヌビディアの収益力は変わらない。中期的には年間最大30%の成長率になると考える。FY21(20年2月~21年1月)の株価のターゲットは$312。
・強気予想に対するリスクは、主に(スマホなど)消費者が使う製品の需要や、ゲーム市場での競争激化(競合はAMDなど)に関すること。
主力のゲーム、データセンター向け製品だけで、エヌビディアの売上の約8割を占めます。かなり偏った事業を行っています。
自動車やAI市場向けにも同社製品を供給していますが、今回の記事では言及されていませんでした。エヌビディアの次の成長の柱となる可能性があるので、また別の記事で調べてみたいと思います。
ゲーム、データセンター、自動車、AIと、エヌビディアには将来の需要が期待できるワードが並んでいます。同社株には興味があります。ただ、今はかなり株価が上がっているので、ちょっと手を出しにくいです。ひとまず株価の動向は追いかけます。
あと気になったのが中国の需要です。中国の需要は無視できないですね。半導体メーカーにとって、(製造工場がたくさんある)中国は1番の顧客でもありますし。
中国は、新型コロナウイルスの発生源と言われています。なかなか好きになれない国(顧客)ですが、うまく付き合っていかないといけませんね(^^; やっぱりお金を出してくれる存在は重要です。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha、"Nvidia: Growth And Resilience At Undemanding Valuations"
https://seekingalpha.com/article/4335717-nvidia-growth-and-resilience-undemanding-valuations