5/15付のSeeking Alphaの記事を読みました。ASML(ASML)の分析記事です。半導体を製造する設備を作るメーカーで、オランダに本社がある企業です。競合のアプライドマテリアルズ(AMAT)と比較したASMLの強みを記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・グラフ1は半導体(の前工程の)製造装置メーカーの業績を比較したもの(アプライドマテリアルズのみ、20Q1と20Q2の比較)。ASMLは49.6%減少。同業者の中では1番悪いパフォーマンス。
<グラフ1>2019Q4と2020Q1の業績比較
(出典:The Information Network)
・20年4月の決算発表時、2020年の需要減少は見えておらず、需要も旺盛とASMLは説明。20Q1と比較し、20Q2の売上は50%伸長の可能性も。ただ、新型コロナウイルスの影響は不明瞭でQ2の収益予想は非開示(ASML)。
・アプライドマテリアルズの20年2~4月期の売上は19年11月~20年1月期と比較し、8.8%減少。同業界で2番目にパフォーマンスが悪い。
・下記グラフ2と3は半導体製造装置メーカーの出荷金額推移。グラフ2は日本のメーカー、グラフ3はアメリカのメーカーのもの。日本のメーカーは19Q4~20Q1にかけ、大きく伸ばしているが、アメリカのメーカー(ラムリサーチ、KLAテンコール、アプライドマテリアルズ)はマイナス成長。
<グラフ2>日本の半導体製造装置メーカーの出荷金額推移
(出典:The Information Network)
(出典:The Information Network)
・ASMLは、EUV(極端紫外線)リソグラフィ(回路パターンを基板に焼き付ける)技術セクターで100%、液浸193nm DUVリソグラフィセクターで94.5%、248nm DUVリソグラフィセクターで73%のシェアを持つ。
・ASMLの2019年の対前年比成長率は2.8%。半導体製造装置専業メーカーとしては、同年でNo.1の成長率(下記グラフ4参照)。20Q1~20Q2(グラフ1)のマイナス成長は異常値。
<グラフ4>半導体製造装置メーカーの前年比売上成長率 - 2019/2018
(出典:The Information Network)
・アプライドマテリアルズは、サプライチェーンの改善により、20年5~7月期の成長率は対前四半期で一桁、20年8月~11月期は二桁と見込む。ただ、私(この記事の筆者)はこの予測には否定的。先日の同社の決算発表から判断すると、同社は新型コロナウイルスの影響をかなり軽視している。
・また、計測と検査市場における勢いもポイント。KLAテンコールの2019年の前年比売上成長率が2.2%だったのに対し、アプライドマテリアルズは-4.2%。計測と検査市場の成長率は-2.9%だったので、アプライドマテリアルズは同市場の成長をも下回った。
・ASMLはリソグラフィ装置の支配的な供給者。EUVへ移行中のインテル、サムスン、TSMCにとって、ASMLの技術は生産工程を減らし、時間、コストの削減に繋がる。
・一方、EUVの導入は、DUVによるリソグラフィ→成膜→エッチングという工程を複数回続ける必要性を減らす(下記図参照)。これにより、成膜やエッチング設備を供給するアプライドマテリアルズ、ラムリサーチのような企業は悪影響を受ける。
<図>EUV導入前後の工程数比較
(出典:Seeking Alpha)
・2020年、ASMLはEUVリソグラフィ装置の出荷で回復する。その影響で、アプライドマテリアルズの半導体製造装置の出荷が減るだろう。
半導体製造装置メーカーの世界を覗いてみたく、この記事を読みました。将来も期待できるかも、と考えている業界です。専門的なことはよくわかりませんが、大枠は理解できたと思います(^^;
企業の名前も複数出てきたので、同業界の主要プレイヤーの名前を知ることはできました。
ただ、各企業の優位性はわかりません(^^; どう差別化しているのかすら、私はよく理解していないので、今後学んでいきたいと思います。
ASML、AMAT、LRCX、KLACはSBI証券でも購入できますね。現在の配当率はどれも1%台と配当株としては扱いにくいです。
まだまだ学ばないといけないことがたくさんありますが、今回は、半導体製造装置業界の中で活躍する会社名だけでも知ることができたのでよしとします。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha、"ASML And Applied Materials: Worst Growth Among WFE Peers In Q1"