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ウォルマートは低リスク。将来の成長は?(分析記事)

ウォルマートの分析記事を読みました。3/31付のSeeking Alphaのものです。筆者は同銘柄に対し、中立的です。以下、記事の要約です。

 

◆要約

・世界にウォルマートの店舗は約11,500店ある。アメリカは5,542店、海外は6,146店。売上は海外と比較し、アメリカは3倍近い。アメリカ国内と違い、同社の海外部門は規模の経済が機能していない。

・ターゲット(TGT)と比較すると、一都市当たりの店舗数はウォルマートが多い。そのため、広告でも規模の経済は働く(下記グラフ1参照)。

<グラフ1>売上に対する広告費の割合

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(出典:Wallmart Annual Report)

ウォルマートは国内外での店舗販売(Bricks&Mortar、International)、Eコマース(E-Retail)、会員制の卸売販売(Sam's Club)、3つの事業を展開する(下記表1参照)。

<表1>事業毎の競争力

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(出典:Seeking Alpha)

アメリカのE-Retail市場ではアマゾンが50%のシェアを持つ。ウォルマートは4位の3.7%。ウォルマートの市場は競合が多い(下記表2参照)。

<表2>ウォルマートの競合他社

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(出典:Seeking Alpha)

・グラフ2はウォルマートの事業部別の売上比率を表す。

<グラフ2>事業別売上比率

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(出典:Walmart Annual Report)

・10年超、ウォルマートアメリカ店舗の年間平均成長率は2.5%。海外は2.2%、Sam's Clubは2.1%。海外の成長率は低下傾向(グラフ3参照)。 

<グラフ3>事業別成長率

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(出典:Walmart Annual Report)

・海外部門はまた、利益が最も少ない(下記グラフ4参照)。

<グラフ4>事業別ROIC(投下資本利益率)

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(出典:Walmart Annual Report)

・2019年、オンラインの売上は37%成長したものの、長期的に成長率は減少傾向。その他重要指標も低下傾向(下記グラフ5参照)。

<グラフ5>ウォルマートの成長率

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(出典:FactSet)

・2016年から、ウォルマートの営業利益率は大きく減少傾向にある。競合のアマゾンは5.3%、ターゲットは6%。アマゾンは(30%の営業利益率を誇る)AWSクラウドコンピューティングサービス)の存在が大きい。

<グラフ6>営業利益率推移、ウォルマート vs. アマゾン

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(出典:FactSet)

・小売業の営業利益率は品揃えにより変わる(下記グラフ7参照)。

<グラフ7>同業他社の営業利益率

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(出典:Seeking Alpha)

ウォルマートの強みは参入障壁の高さ、規模の経済、そして顧客を繋ぎとめる力。ただ今日、同社の全盛期は過ぎている。

・低価格で勝負する新たな競合の存在も。アルディ(非上場)はウォルマートよりも18%程度安価に販売する(下記グラフ8参照)。

<グラフ8>40種の同一商品の合計販売価格推移比較

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(出典:CNN)

 ・リターンは配当利回り、企業自身の成長、経済成長から構成される。私(筆者)の計算によると、ウォルマート配当利回りは年2.2%(下記表3参照)。10年だと5%に近い。

<表3>配当利回り

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(出典:Seeking Alpha)
・企業自身の成長を算出するにはいくつか方法がある。売上、EBIT(利息、税引前利益)、PP&E(有形固定資産)の10年間の成長率平均を取ると、1年当たり0.5%(下記表4参照)。

<表4>1年当たりの成長率

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(出典:Seeking Alpha)

・ROICを使って算出すると、1年で-0.1%。10年だと3.4%)。

<表5>1年当たり、及び10年間の成長率(ROIC使用)

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(出典:Seeking Alpha)

配当利回りウォルマート自身の企業成長を合わせると、10年で期待できるリターンは2.7%~8.4%。

・以下はウォルマートのEV/EBIT(営業利益倍率)。EV(企業価値)がEBIT(利息、税引前利益)の何倍かを表すもの。最近は過去よりも大きく上昇しており、高い倍率はリターンを圧迫する。

<グラフ9>ウォルマートのEV/EBIT推移

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(出典:Seeking Alpha)

・平均よりもリスクは少ない、また短期間だけという観点ではウォルマートへの投資は理にかなっている。あなたが大きなリターンを期待する長期投資家なら、ウォルマートはその他銘柄よりも興味を起こさせるように見えない。

 

リスクは少ないが、長期的な成長はいまいち、という筆者の主張は納得できます。今の販売システム、長年培ってきた各仕入れ先との関係は強みになりそうです。

 

成長率、営業利益率が低下傾向というのも、記事内でたくさん使われているデータから見えてきます。それだけ競争が激化していると思われます。

 

安定している企業なので、配当率が高ければ良いですが、現在1.78%と魅力は少ないです。筆者が言うように悪くはないですが、買うならウォルマートよりもその他銘柄を選びたくなります。

 

営業利益率が低下している点が特に気になります。今後、競争はさらに激しくなっていきそうなので、新たな収益源を見つけてほしいです。ニュースでは同社の様々な試みが報道されているので、今後の新事業には期待したいです。 

以上

 

◆参考文献

Seeking Alpha, "Walmart Overpriced For Growth"

https://seekingalpha.com/article/4335207-walmart-overpriced-for-growth