6/7付のCNBCの記事を読みました。アメリカの各州で経済活動が再開されています。その進捗状況をグラフを基に解説する内容です。以下要約です。
◆要約
・アメリカ経済は回復に向けて進行中。以下5つのグラフはその進捗状況を追跡する。
・下記グラフ1はApple Mapsのナビゲーションの利用件数推移を示す。車の運転、徒歩のための検索は上昇傾向。しかし、乗り換え検索は未だ50%以下。感染を避けるため、人々は電車、バスの使用を控えている。
<グラフ1>Apple Maps、アメリカでのナビゲーションの利用件数推移
(出典:Apple、20年1月13日起点)
・人々はレストランの予約サイト、アプリへも回帰。オンライン予約サービスを提供するOpenTableによると、現在のレストラン予約数は昨年と比較し、80%減(下記グラフ2参照)。
<グラフ2>アメリカのレストラン予約件数推移
(出典:OpenTable)
・ホテルの稼働率は現在40%程度(STR、ホテル業界の調査会社)。旅行者に人気のあるニューヨーク市やアトランタ市では稼働率が40%を超える。しかし、ハワイのオアフ島、フロリダのオーランドなど、同じく人気のあるこれらの土地では、稼働率が未だ低いまま。
(出典:STR)
・空港利用者は昨年比較で80%以上減少。5月、6月に入っても増加率はわずか(下記グラフ4参照)。
<グラフ4>アメリカの空港利用者数、前年比増加率推移
(出典:TSA)
・住宅ローン申込件数の最近の急上昇は、これまで積みあがっていた需要が影響している可能性がある(住宅ローン銀行協会)。申込件数は前年比20%増に近い。また、混雑した都市から郊外への移住需要の可能性も。
<グラフ5>戸建て住宅、住宅ローン申込件数、前年比増加率
(出典:Mortgage Bankers Association Purchase Index)
5つのグラフから、アメリカの経済活動が徐々に回復しているのが見て取れます。まだまだこれからですが、経済活動再開は許可されたばかりなので、仕方がありません。
経済活動が100%復活した時、利用者がどの程度戻っているのかが気になります。
電車やバス、飛行機の利用者数が元に戻らない場合、世の中のお金の動きは大きく変わりそうです。
飲食店はしばらく厳しそうです。ソーシャルディスタンスを考慮すると、お客の数は半減してしまいます。これでやっていけるんでしょうか?スターバックスも既存店を400店舗閉鎖、代わりにテイクアウト専門店を開くというニュースが報道されていましたし、この業界は短期的には大きく変わっていきそうです。
住宅ローン申し込みが急増している要因は謎ですね。記事が指摘するように、需要が後ろにずれたのか、郊外需要が伸びているのか、はたまた低金利が影響しているのか。続報を待ちたいです。
今後、急激に経済活動が復活するのか、または時間がかかるのか、予想するのは難しいです。時間がかかりそうな気がしますが、大統領選挙を控えていますので、現政権の追加の景気刺激策で短期的に回復するかもしれませんし。引き続き、日々のニュースをチェックしていきます。
以上
◆参考文献
1)CNBC、"Five charts that track the U.S. economy amid reopening progress"
2)日経新聞、"米スタバ、持ち帰り専門店を出店 コロナ受け業態転換"
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60221130R10C20A6000000/