7/2付のReutersの記事を読みました。アメリカではバイデン大統領の期待が高まっています。同大統領が実現すると、市場に起こりうることを記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・バイデン大統領を見据え、一部の機関投資家はドル、アメリカ株の売却進める。今選挙を実施すれば、バイデン氏が勝つと市場は判断している(フェデレーテッド・ハーミーズ、アメリカの資産運用会社)。
・バイデン大統領が実現すれば、トランプ政権が進めてきた法人税減税、規制緩和が後戻りすることも。法人税は28%に上昇する可能性が高い(アムンディ・アセット・マネジメント、ヨーロッパの資産運用会社)。
・これは、S&P500企業の1株当たり利益を$20減らすことになる。結果、アメリカ株、ドルから資金が流出する可能性あり(アムンディ・アセット・マネジメント)。同運用会社はドル売却を進める。
・バイデン大統領となると、経済成長率は鈍化し、結果ドルも安くなる(ラファー・テングラー・インベストメンツ)。
・現在、通貨先物市場において、ドルの売り持ち(今売って、値下がりした段階で買い戻し、決済する投資手法)の規模が2年ぶりの高値水準。
・民主党政権が打ち出す規制が、エネルギー、金融セクターに悪盛況を及ぼす可能性も(UBSグローバル・ウェルス・マネジメント)。
・ブラックロック・インベストメント・インスティテュートはアメリカ株への投資判断を中立へ引き下げ。景気刺激策の終息、大統領選挙の不透明感が理由。
・フェデレーテッド・ハーミーズは現金比率を高める。今後、さらにバイデン氏勝利の可能性が高まるなら、高配当株の保有率を減らす。配当、キャピタルゲインへの増税が懸念されるため。
・ただ、FRBが経済を支える姿勢を見せており、バイデン氏が勝利したとしても、株価下落に繋がらない可能性も残す。政府、FRBの景気刺激策はある程度、資産価格を支える(レビン・イースタリー・パートナーズ、アメリカの投資助言会社)。
以前は、大統領選挙でバイデン氏が勝利することはあまり期待していなかったのですが、警察官による黒人男性殺害からでしょうか、風向きが大きく変わってきました。
この記事を読む限り、機関投資家が様子見したり、株式から資金が流出する可能性が十分あります。景気刺激策もありますが、どうなるか全くわかりません。
こういう話を聞くと、構えてしまいます(^^; ただ、大統領選挙までまだ4か月もあり、それまで投資を控えるというのも避けたいところです。
あと目に留まったのが、配当やキャピタルゲインへの課税。これはだけはかんべんしてほしいです(^^; せめて配当への課税は避けてほしい。また、アメリカがこれをやったら、日本も真似する可能性もありますし。増税を批判する世論が高まることを期待します。
以上
◆参考文献
1)Reuters、"焦点:「バイデン大統領」に備える投資家、ドル売りに米株圧縮も"
https://jp.reuters.com/article/biden-investors-us-election-idJPKBN2430BF
2)iFinance、"売り持ち"