8/7付のReutersの記事を読みました。次の5年間のアメリカ企業の利益成長率について解説する内容です。以下要約です。
◆要約
・リフィニティブ(金融情報、リスク管理等のサービス提供企業)のデータによると、アメリカ企業の次の5年間の利益成長見込み(1年当たり12%)は損なわれていない。新型コロナウイルス感染拡大が及ぼした企業への影響は、過去の危機と比べ、より速く過ぎ去りそう。
<グラフ1>アメリカ企業の次の5年間の成長見込み
(出典:Refinitive Datastrem)
・現在の市場予想は、企業収益は2021年から大きく改善、新型コロナウイルスの影響は2020年に限定されるというもの。過去2回の景気後退時、アメリカの株式市場は危機前の最高値に値を戻すまで約3年を要した(ソシエテジェネラル、フランスの銀行)。
<グラフ2>金融危機後、企業収益が元に戻るまで2年を要した
(出典:Refinitive Datastream)
・次の5年間、アメリカ株が1年当たり7%のリターンを達成するには、企業が1年当たり2桁の収益成長率を達成する必要あり(ソシエテジェネラル、フランスの銀行)。
・生活必需品、テクノロジーのようなセクターは、金融危機時よりも早く回復する。自粛生活により、消費者が支出を制限しているため。エネルギー、素材セクターはより時間を要す(Ithaca Wealth Management、アメリカの金融サービス会社)。
<グラフ3>アメリカのセクター別利益見込み
(出典:Refinitive Eikon)
・感染拡大に伴い、人々の行動習慣を変える必要性が主に今回の景気後退を動かす。
次の5年間、アメリカ企業は1年当たり12%程度の利益成長率を見込まれています。コロナ前、コロナ後で、この見込みは変わらないとのこと。
今後、低成長率時代が来るというニュースを時々目にしますが、次の5年間はまだ期待できそうです。
記事で解説がありましたが、アメリカ株が年間7%のリターンを達成するために、企業収益は毎年2桁成長する必要があるとのこと。7%というのは確か、S&P500指数の年間平均リターンです。
利益が毎年2桁成長するというのはすばらしいです。アメリカ株が支持されるはずです。
あと気になったのはセクター別の利益変動です。グラフ3によると、2021年、エネルギーセクターが飛びぬけて反発する見込みになっています。それだけ今年が厳しいということでしょうか。
こういうのをみると、今、エネルギー株を買うのもありかな?と思ったりもします。ただ、中長期的にみると不安です。すでに今の株価が、来年の需要反発をある程度織り込んでいるかもしれませんし。このトレンドだけは頭に入れておきたいと思います。
以上
◆参考文献
Reuters、"U.S. earnings recovery may be faster than in previous crises"