8/14付のCNBCの記事を読みました。20年2月から始まったアメリカの景気後退に関する専門家の見解が記事になっています。以下要約です。
◆要約
・現在の株式、住宅、小売り市場のトレンドは景気後退を表していない。しかし、今回のものは通常の景気後退ではない。
<グラフ>アメリカの住宅、及び小売売上の回復
(出典:アメリカのセントルイス連邦準備銀行)
・我々は景気後退の最中にいない。すでに景気後退は終わっていると思う(Leuthold Group、アメリカの投資調査会社)。
・景気後退終了が事実なら、いくつか特筆すべきものがある。今回の景気後退はいかに速く過ぎ去ったか、景気後退は本質的に政府が誘発したものだった、そして政策立案者がいかに速く対応したか。
・まだ景気後退は来ていない。現在の状況に対する長期の反動が感じられるとき、景気後退は現れる(TSロンバード、イギリスの投資調査会社)。
・金融、財政政策で、短期の景気懸念に対応している。一方で、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど大都市から、人々がより安全で繁栄している土地を求め、流出が続いている。
・また、サービス業界は元に戻るまで数年かかると見込まれており、飲食店の60%は元に戻らないというデータもある(ローカルビジネスレビューサイトのYelpより)。
・次の景気後退は経済が全て再開された後、人々の生活が過去と同じではないと認識する時から始まる。需要は大きく変わり、この変化はどちらかと言えば恒久的なものにみえる。金融、雇用、そして人口の大部分の賃金に影響があるだろう(TSロンバード)。
・経済は定義上の景気後退を乗り越えたかもしれない。ただし、対策がなければ多くの危険が待つ(ムーディーズ)。
・2月に始まった景気後退は4月で終わった。我々は回復の最中にある。ただ、その回復がどの程度続くのかが問題。我々は景気後退への逆戻りなしに、新型コロナウイルスを克服できるか?(ムーディーズ)。
景気後退は終わった、景気後退はこれから、再び景気後退に陥る可能性ありと、専門家の中でも意見が異なります。
景気後退がすでに終わったとは考えもしませんでした。それだけ、今回の景気後退は過去のものとは違うんでしょうか。各国政府、中央銀行の素早い対応にも感謝です。
私は比較的悲観的な考えで、これからも従業員の解雇、企業の倒産が続くと思っています。そして、(定義上の)2回目の景気後退突入は十分ありえると感じています。
一方で、アメリカ議会、FRBの素早い対応、(コロナの影響で停滞、休止している事業に代わる)新たな事業の立ち上げなど、アメリカに期待しているところもあります。GDP成長率含め、今後の各種経済指標に注目していきたいと思います。
以上
◆参考文献
CNBC、"Here’s why this recession has been different from any other"