SBI証券に掲載されているバロンズダイジェストの記事を読みました。8/16付のものです。ロビンフッドという証券取引アプリの話です。同社は人々に手軽に投資してもらうことを目指して、2013年にカリフォルニア州で設立されました。今、その同社が批判にさらされています。以下、記事の要約です。
◆要約
・ロビンフッドは売買手数料無料、インターフェースは使いやすく、楽しい。2020年1~6月期、オンライン証券口座は約600万件が新規開設されているが、その内300万件以上がロビンフッド。
・新型コロナウイルス感染拡大がロビンフッドに恩恵を与えた。新たな投資家層を生み出し、この投資家たちは今後も投資を続ける見込み(JMPセキュリティーズ、アメリカの投資銀行)。
・ロビンフッドには批判も。ゲームやカジノのように、ユーザーにリスクをとって取引を促す手法や技術が対象(視覚的要素、新規ユーザー紹介による無料株式プレゼント含む)。また、20歳のユーザーが同アプリの利用をきっかけに自殺したことで、アメリカの連邦議会議員も動く。
・ロビンフッドのアカウント承認手続きはかなり速く、口座への資金振り込み前に取引開始も可能。(オプションなど)商品取引の承認過程も簡素。その他オンライン証券と異なり、新ユーザーが嫌がるプロセスが全て省かれている。
・現在の1日当たりの平均出来高は100億株以上。昨年の70億株から大幅アップ。今後も今の高い水準を維持する見込み(パイパーサンドラー、アメリカの投資銀行)。
・ユーザーのほとんどはバイアンドホールド戦略を取る。オプションを利用するのは12%のみ。助言はしない、取引も促さない、市場へのアクセスのみを提供している(ロビンフッド)。
・競合と比較し、ロビンフッドの収入は証券売買への依存度が大きい。オプションは同社が受け取る手数料がより高い。
<表>ロビンフッドアプリ上でこの30日間に関心を持たれた銘柄トップ10
(出典:バロンズダイジェスト)
・将来、(決済サービス、退職金サービスなども含めた)金融アプリの第一人者になりたい(ロビンフッド)。
・ロビンフッドの1ユーザー当たりの平均投資額は非開示。JMPセキュリティーズは$1,000~$5,000と見積もる。(フィデリティ、TDアメリトレード、チャールズシュワブ等の)大手の$10,000以上と比較し、小規模。また、ロビンフッドの業績は赤字。
・新鮮味がなくなり、単なる金融機関に陥る前に、ロビンフッドは新たな取り組みが必要(コマースベンチャーズ、アメリカのベンチャーキャピタル)。
ロビンフッドの名前くらいは私も聞いたことがありました。ネットでニュース記事を読んでいると時々名前が出てきます。自殺者が出たことで、さらに注目されるようになったようです。
私はアプリ画面を見たことがありませんが、記事を読む限りは中毒性を生み出しているようです。この会社は上手いことやっているなと思う反面、中毒性に関し、批判を浴びると、何らかの対策はせざるを得ないと感じます。
中毒性の高い、株取引アプリは日本でもその内、出てきそうです。すでに存在するのかもしれませんが。
上の表にある銘柄は、ロビンフッドユーザーが今好んで買っているものです。割高に感じる銘柄が多く、今私は投資を避けたい銘柄です(^^;
今は批判があるロビンフッドですが、若者を惹きつけている点には注目したいです。今後、総合金融アプリに転身していく過程でも、若者が着いてきてくれるなら、将来楽しみな企業になりそうです。また、株式市場へ流入する資金が増えることも大歓迎です。
以上
◆参考文献
SBI証券、バロンズダイジェスト8/16号、"株取引アプリのロビンフッドが躍進"
https://global.sbisec.co.jp/Fpts/tsj/invInfTop/toUsAnaReport