11/21付のSeeking Alphaの記事を読みました。アプライドマテリアルズ(AMAT)、ラムリサーチ(LRCX)、KLA(KLAC)、3社の半導体装置メーカーに関する話です。3銘柄の株価は過去52週間で最高値を付けています。その背景について記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
>>>地域別売上
・3社とも中国への依存度が高い。2019年、年間売上高の内、中国が占める割合はLRCXが31%、AMATが29%、KLACが25%。LRCX、AMATにとって、中国は最大の市場。KLACは台湾が最大市場で年間売上の27%を占める。
・SMIC(中国最大の半導体企業)に対する輸出規制など、3銘柄とも中国関連の報道に影響を受ける。
>>>ユーザー別売上
・2019年、AMATの売上の約半数を、ファウンドリ(半導体チップメーカー)、ロジックICメーカーが占める。LRCXの同年売上の約60%をメモリメーカーが占める。
・(報告書上の表現が異なる)KLACでは、売上高の約80%を半導体工程管理セグメントが占める。2020Q1は、同セグメントの内、69%はファウンドリ(半導体チップメーカー)。
・まとめると、LRCXはメモリメーカー、KLACはファウンドリに大きく依存。3社の中では、AMATが最もバランスが取れている。
・ファウンドリ、メモリ市場のニュースに、3銘柄は影響を受ける。
>>>売上の10%超を占めるユーザー
・ファウンドリ最大手のTSMCが、3社にとってこの分類に入る。AMATは売上の14%をTSMCが占める。サムスンも同様にこの分類。2019年、AMATだけが初めてサムスンからの売上が10%を下回った。
・AMATはまた、売上の12%がインテルから。
・LRCXは先に述べたように、メモリメーカーへの依存度が高く、マイクロン(MU)、SKハイニックスがこの分類に入る。
>>>半導体製造装置市場
・各チップメーカーは1年先の需要を見越し、数千万ドルを半導体製造装置に投資する。半導体装置メーカーの収益、報告内容を追跡することで(家電製品、データセンターサーバー、メモリのような)製品の将来の需要が予測できる。
・AMAT、LRCX、KLACの各社が最近発表した業績結果は、何れも市場予想を上回った。次の四半期予測も上昇修正。KLACは大量の受注残があった四半期が終わったことにも言及。
・AMATのトップ顧客はTSMCとインテル。2019年、サムスンは売上の10%未満。だが、2018年は13%、2017年は23%だった。NAND(フラッシュメモリの1種)に対する設備投資が2018年に36%減少、2019年に33%減少したため。2020年、サムスンの同設備投資は55%増加すると見込む。これが、AMATの株価上昇に繋がるだろう。
<グラフ>過去1年間のS&P500指数に対するパフォーマンス
(出典:Seeking Alpha)
半導体製造装置市場のことを理解したい私にとって、ちょうどよい記事でした。これくらいの内容、情報量だと、まだ読めます。専門用語も限られますし。競合他社との比較情報もあり、業界の理解が深まります。
半導体業界には長期的に期待しており、製造装置メーカーの数も多くはなさそうなので、同メーカー銘柄の保有を考えています。
(今から考えればですが)大統領選投票日前である10月末には、各銘柄の株価が結構下がっていたので、買いたかったです。その時は資金に余裕がなかったこともあり、投資に踏み出せませんでした。
今は、この記事で挙げられた銘柄含め、半導体製造装置メーカー銘柄の株価は大きく上昇しており、手が出しづらいです。次に大きく下げた時に買えるよう、今は資金を貯めます。
どの銘柄が良いか判断できない場合は、分散させて買おうと思います。
以上
◆参考文献
Seeking Alpha、"Applied Materials, Lam Research, and KLA trading at record highs: What drives semi equipment stock movements?"