12/12付のReutersの記事を読みました。アメリカでの大麻ビジネスの話です。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、大麻需要も増加しているとのこと。以下、記事の要約です。
◆要約
・20年3月~4月、大麻の購入が急増。ロックダウン開始により、ユーザーが買いだめしたため。ここまでのところ、月毎の販売金額は過去最高値を更新継続中。公式販売統計によると、ここ数年、大麻の販売数量は伸び悩みの状態であった。
・感謝祭前の水曜日(11/25、Green Wednesday)には、今年1日当たりの売上平均を80%上回る。11/25~11/29、アメリカでの大麻の売上は、昨年比で14%増の2億3800万ドル(アルケナ、大麻に関するデータ収集、調査会社)。
・感染拡大→ステイホーム→娯楽の選択肢限定→ストレス増が、販売金額増加の背景とみられている。
・大麻ユーザーの4割が消費量を増やし、5割以上がメンタルヘルス改善目的に大麻を使用(ニューフロンティアデータ、調査会社)。
・対大麻の消費者許容度が大きく上がった。ロックダウンは大麻事業関係者にとって大きな好機(シバ・エンタープライジス、コンサルタント会社)。
・ロックダウン中、各州の規制当局は、大麻関連企業を必要不可欠なビジネスに認定。
・35州では条件付きで医療用に大麻を使用。15州、及びコロンビア特別区では嗜好用として大麻を利用。
・2021年、タバコ、アルコールのように大麻を購入できるようになる可能性あり。近い将来、レストランで大麻ベース飲料を選べるようになるはず(メディカル・マリファナ、大麻関連企業)。
・連邦法の下、大麻は違法。関連企業は資金調達、金融サービス利用に制限あり。次期副大統領であるカマラ・ハリス氏は、これらのルール変更、大麻非犯罪化を公約として掲げる。
・大麻合法化の支持率は、2019年は66%、2020年は68%に増加(ギャラップによる世論調査)。
・各州政府も大麻合法化に期待。景気低迷、税収減の最中、財源確保、雇用創出が必要なため。現在、各州政府からアルケナ社(大麻に関するデータ収集、調査会社)への問い合わせ数は過去最高水準。
・一方で不安視される面も。反対派も存在し、依存性や医学的検証の不十分さを訴える。アイダホ、ネブラスカ州では大麻は禁止。
・カナダは2018年から大麻が合法化されるも、供給過剰、闇市場の存在、収益性低下と業界関係者の期待を満たせていない。
・大麻の生産者、調査会社はアメリカ市場に期待する。同国の市場は大きく、新製品の存在、セラピー効果への理解度が高いため。
・人々の大麻への理解が、麻薬、嗜好物から、精神、身体に恩恵のある錯化合物へ変化している(ザ・ペアレント・カンパニー、アメリカの大麻生産企業)。
アメリカの各州で、大麻関連企業が必要不可欠なビジネスに認定されているとは知りませんでした。
記事内では、大麻の需要増、大麻への理解度アップの話が多く、今後期待してしまいます。
11/25~11/29の5日間で、大麻の売上が2億3800万ドルに達したのには驚きました。数字が大きすぎます。アメリカの市場はすごいです。
アルトリアも大麻事業を抱えているので、今後に期待してしまいます。数年~10年くらいで、アメリカでの同事業が花開いてくれると嬉しいです。
以上
◆参考文献
Reuters、"アングル:米大麻業界の「ハイ」続くか コロナと合法化で急成長"