1/6付のCNBCの記事を読みました。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、世界経済の今後の見通しに関する世界銀行のコメント、レポートが記事になっています。以下要約です。
◆要約
・新型コロナウイルスの感染拡大は、第二次世界大戦以来となる最悪な景気後退のきっかけとなった。歴史からみると、大規模で効果的な改革がない限り、世界経済は控えめな成長率と共に、失われた10年に突入していく。
・人口の高齢化、生産性の低成長により、コロナ前から経済見通しは弱くなっていた。コロナは景気後退を悪化させるだろう。
・経済が完全雇用、完全操業と仮定すると、2020年~2029年の成長率は1年当たり1.9%へ低下すると見込む。コロナ前は2.1%だった。
・不確実性と弱い経済成長は、企業の新規投資を抑制するかもしれない。高い失業率と学校閉鎖が継続すれば、労働市場における知識、技能の損失に繋がる。
・2021年、世界経済が回復しても、景気後退は実現するだろう。
・しかし、全てが失われるわけではない。経済的損失を和らげる、または回復する手段を政策立案者は取ることができる。
・インフラへの投資、女性の雇用支援、経済の多様性は一例。特定のセクターへ過度に依存しないため。
・各国が対応すべき改革は、それぞれの財政、優先順位、経済構造次第。
・物的資本、人的資本への投資を増やす改革、労働力の供給を増やす改革は、コロナによる損失を取り戻すこと以上になる可能性あり。
<グラフ>世界の成長率実績、及び見込み
(出典:Kilic Celik, Kose, and Ohnsorge、World Bank)
世界銀行の中期的な視点による解説でした。コロナ前から、2021年以降は低成長となると専門家は解説していました。
今は金融緩和政策のおかげもあり株高ですが、同政策の終わりが見えてきた時が怖いです。株価も下がり、現実に戻される感じです。
人口の高齢化、生産性の低成長、労働市場における知識、技能の損失といった言葉を聞くと、悲観的になります。ここで挙げられたことは、今後の世界経済にじわじわと、確実に効いてきそうです。
今は株高で私も浮かれてしまっていますので、中、長期的な成長は過度に期待しないようにしたいと思います。
以上
◆参考文献
CNBC、"Covid pandemic could bring 'a lost decade' of economic growth, World Bank says"