2/3付の日経新聞の記事を読みました。エクソンモービルのM&Aの可能性について解説しています。以下要約です。
◆要約
・2/2、エクソンモービルは20年12月期決算を発表。最終損益は224億ドルの赤字。
・(シェブロンとの統合に関する)憶測に対してはノーコメント。メリットのあるM&Aは常に検討中(エクソン)。
・報道によると、エクソン、シェブロン間の協議は現在進んでいない。しかし、エクソンはこれまで自力で成長できると主張していたため、今回のM&Aの報道は、エクソンが変化してきていると関係者はみる。
・シェブロンの最終損益は55億ドルの赤字(20年12月期決算)。通期としての赤字は4年ぶり。
・エクソン、シェブロンは互いに競争し合い、一方で、環境への対応という共通の課題を持つ。バイデン政権は環境対策を強化。規制対象はアメリカの石油、天然ガス生産の2割弱。トランプ政権時代に石油、天然ガスの生産は4割増えたが、見直しが必要に。
<表>アメリカ石油業界の再編推移
(出典:日経新聞)
・(ロイヤルダッチシェル、BPなどの)ヨーロッパメジャーは、再生可能エネルギー事業の拡大を表明済み。
・BPは1998年にアモコ(アメリカ企業)を買収。アメリカ事業比率が高く、2030年までに、今の化石燃料開発を4割削減する計画。
・ヨーロッパ企業に対し、アメリカ勢は環境対策が遅れている。(バイデン政権、投資家が要求する)カーボンニュートラルへの目標は、エクソン、シェブロン、共に現時点でなし。
<グラフ>アメリカの原油生産量推移(20年は11月までのデータ)
(出典:アメリカエネルギー情報局)
・投資先の全企業に対し、カーボンニュートラルを目標とした事業戦略開示を求める(ブラックロック)。
・化石燃料事業への依存度が高いアメリカ企業には、M&Aの可能性が残る。
・エクソンとシェブロンはかつて1つの企業。再び統合するとなれば、市場独占の懸念が残る。そのため、合併には事業整理、資産売却が求められる可能性が高い。
最近、エネルギー銘柄が気になってきているので、関連記事に目が留まる機会が増えてきました。
コロナの影響で今後の石油需要は不透明で、また、環境対策への圧力が高まってきており、石油事業への依存度が高い企業は大変そうです。
今回の記事で挙げられたエクソンモービルやシェブロンがそうですが、M&Aは大歓迎です。特に、環境対策に繋がる再エネ事業の比重拡大を目指してほしいです。
そうなってくれると、両企業の将来は明るくなるので、株を保有したくなります。今後、エネルギー業界の動向は気にかけていきたいと思います。
以上
◆参考文献
日経新聞、"米石油の苦境鮮明 エクソンCEO「M&Aも視野」"
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030FF0T00C21A2000000/?unlock=1