3/31付のSeeking Alphaの記事を読みました。同日に発表されたアメリカのインフラ投資計画に関する内容です。半導体セクターについて解説されています。以下、記事の要約です。
◆要約
・3/31、バイデン大統領は2兆ドル規模の計画「American Jobs Plan」を発表。半導体の国内製造、及び研究開発へ500億ドル投資することを議会に求める。
・20年9月、Semiconductor Industry Association (SIA)、Boston Consulting Groupから成るロビー活動グループの研究によると、現在のアメリカの半導体世界シェア12%を増やすためには、半導体製造に500億ドル投資する必要があるとのこと。
・政府からの支援が同規模になれば、19の半導体チップ製造工場、及び次の10年間で7万人の賃金の高い雇用を生み出す可能性あり。
・インテルはアリゾナ州に2つの半導体チップ製造工場を建設するため、200億ドル投資することを発表した。世界有数のファウンドリー事業者になることが目標。
・ファウンドリー事業で世界No.1のTSMCはアリゾナ州に半導体チップ製造工場を建設中。
・自国の需要を満たすため、半導体チップの製造能力を拡大することは、アメリカ、ヨーロッパにとって、経済的には非現実的なものになるだろう。現在の半導体不足は異常。アメリカとヨーロッパの工場は、採算性の低い大きな生産力をもたらすだろう(TSMC会長)。
・(3/31、この記事を書いている時点で)フィラデルフィア半導体株指数は前日比で2.8%上昇。対するXLK(テクノロジー銘柄のETF)は1.7%上昇。半導体製造装置銘柄、車載半導体銘柄が上昇を引っ張る。AMAT、CREE、TER、LSCC、ON、KLAC、LRCXなど。
ファウンドリー事業で世界トップの言葉は真実味があります。私も、今の半導体需要は異常で、いつまでも続くとは思っていません。
私がインテルのファウンドリー事業に期待するのは、同社の競争力というよりも、米中関係の悪化により、将来、中国が台湾(TSMC)に影響を及ぼしていくことを恐れているためです。半導体メーカーが、他に選択肢がなく、インテルへチップ製造を委託する時が来るかもしれません。
ただ、TSMCが指摘するように、その事業は儲からない可能性がありますので、注意したいと思います。
今の半導体需要はいつまで続くのでしょうか。「スーパーサイクル」という言葉も用いられ、半導体業界の活況は、(同業界にいる会社からも)あと数年は続くという声があります。
できれば、半導体需要が異常から正常に戻った時に、(株価が下がっていることを期待し)半導体関連銘柄を買いたいのですが、スーパーサイクルがあるなら、正常に戻ったとしても株価は下がらないかもしれません。下げた時に買う、というのは難しそうです(^^;
以上
◆参考文献
Seeking Alpha、"Biden's $2T infrastructure plan asks for $50B semiconductor investment"