4/9付の日経新聞の記事を読みました。個人投資家からのアメリカ株式市場への資金流入が減っていることを解説しています。以下要約です。
◆要約
・4/8のアメリカ株売買高(94億株)は今年の最低水準(下記グラフ1参照)。
<グラフ1>アメリカ株売買高推移
(出典:リフィニティブ)
・株式市場への個人投資家からの資金流入が減少していることが理由。3月に決定、すでに配布が開始されている給付金が、(これまでと違い)株式投資以外に使われている(外資系証券)。
・Reddit(オンライン掲示板)での株式投資に関する情報交換頻度も減少。
・(オンライン上で投資家に関心を持たれている銘柄から成る)VanEck Vectors Social Sentiment ETFとNYダウ平均を比較すると、(前者の上場初日取引終了後を起点とすると)NYダウ平均の方がパフォーマンスが高い。上場時、同ETFには資金が流入していたが、3月下旬から資金流出が上回る。
・アメリカでは活動制限が緩くなるにつれ、消費が増加(第一生命経済研究所)。
・21年2月の消費者信用(クレジットカード)残高は前月比で大幅増。これは2017年以来の増加率(下記グラフ2参照)。消費者は資金をレジャー、外食などに費やしている模様。
<グラフ2>消費者信用残高推移
(出典:FRB)
・今回のような個人投資家の動きは、(外部要因に関係なく、主に需要と供給で株価が決まる)需給相場から(経済状況、企業の業績動向によって株価が決まる)業績相場への移行時にみられる現象。
アメリカ株式市場で、個人投資家の売買高が減っているとは意外でした。3月に決定した給付金も、主に株式市場に向かうと思っていました。
最近のグロース株上昇は、個人投資家からの資金流入かなと推測していたのですが、どうやら違うようです。
個人投資家から流入する資金が減ると、機関投資家はどう反応するんでしょうか。何もしないかもしれませんし、利益確定売りをするかもしれません(もう終わっているかもしれませんが)。
ここで、機関投資家が利益確定売りをし、株価が下落してくれるとありがたいんですけどね。それを期待し、グロース株の株価動向には注目したいと思います。
以上
◆参考文献
1)日経新聞、"消える巣ごもりマネー 需給相場終わりの始まり"
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB093AT0Z00C21A4000000/
2)大和証券、"金融・証券用語解説 [需給相場]"
3)大和ネクスト銀行、"「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」って ? 4つの相場サイクルの連動と投資手法"
https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2020/2020_261.html