4/12付の日経新聞の記事を読みました。バイデン政権が増税を計画しています。そのリスクを忘れないようにと、専門家が投資家に注意を促す内容です。以下要約です。
◆要約
・長期金利の上昇、高いバリュエーション、新型コロナウイルスの感染再拡大など、リスクは残る中、4/5の週の株価は上昇、最高値も更新した。
・今、法人税の引き上げが新たなリスクとしてある。バイデン政権は、アメリカの法人税引き上げ(21%→28%)、そして世界共通の最低法人税率導入を提案中。当リスクがアメリカ株の上昇基調を妨げる可能性ありと、複数のアナリストは提言。
・現在、投資家は株価上昇を楽しんでいる。一方で、増税の到来も見据えている。増税の影響で株価の調整が2021年、2022年に起こるのか、もしくは株価にはあまり影響しないのか、投資家は動向を注視している(ウェルズファーゴ)。
・投資家は楽観視しすぎ。増税の可能性が高いことを忘れている(シティグループ)。
・S&P500を構成している企業の法人税率は、より低い傾向にある。(税制が優遇されている)海外でも事業を展開している企業が多いため。20年Q3期のS&P500企業の平均法人税率は17.5%。テクノロジー企業に限定すると、14.8%(S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズ)。
・2017年にトランプ政権が実施した法人税引き下げにより、S&P500企業の2018年のEPSが10%上昇した。1990年以降、S&P500企業の純利益率は4%上昇したが、その内2%は減税の効果。また、同年以降のS&P500企業の利益成長の内、24%が減税によるもの(ゴールドマンサックス)。
・バイデン政権の現増税案が実現した場合、2022年、S&P500企業のEPSは最大9%減。 仮に増税幅が現行案の7%から4%に抑えられたとしても、同EPSは3%減(ゴールドマンサックス)。
・増税幅と企業の再雇用者数は連動する可能性があり、21年後半以降の大きなリスク(ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメント)。
・直近ではS&P500指数は過去最高値更新を継続。S&P500企業の21年第1四半期利益は、前年同期比で25%程度の増加が見込まれている。大規模金融緩和政策の維持、景気回復が背景にあり、投資家は慢心している(モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント)。
・現在、VIX指数(恐怖指数)もかなり低い。20年3月は85に達していたが、現在は20未満。これは長期平均未満の数値。
・今最も大きいリスクは、投資家がリスクゼロと思っている事(モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント)。
記事は私には耳が痛い内容でした(^^; 私も結構油断していると思います。近い将来、アメリカの法人税が引き上げられるのは理解していますが、大規模金融緩和の継続、景気回復が打ち消してくれるだろうと楽観視しています。
増税を市場はどこまで株価に織り込んでいるんでしょうか。記事内で専門家が警告しているのをみると、現時点ではあまり織り込まれていないのかもしれません。
記事内で解説されている増税、減税による利益の増減幅をみると、かなり大きいので、増税が決まると、株価には影響しそうです。
それでも、下げても5%くらいでしょうか。10%の下落は期待しないようにします。この下落は投資する良い機会になるかもしれません。
増税が今年になるか、来年になるかわかりませんが、増税関係のニュースにも、今後は注目したいと思います。
以上
◆参考文献
日経新聞、"[FT]迫る「税の嵐」を不安げに見つめる米投資家"
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB123L20S1A410C2000000/