8/1付のバロンズダイジェストの記事を読みました。SBI証券のサイトで掲載されているものです。7/26週、GAFAM(アルファベット、アマゾンドットコム、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)が四半期決算を発表しました。その内容から、今後の見通しについて解説しています。以下要約です。
◆要約
・7/26週、アルファベット、アマゾンドットコム、フェイスブック、アップル、マイクロソフトの5社は四半期決算を発表。5社合計の売上高は3,320億円で、前年同期比36%増。
・しかし決算発表後、7/26週の株価動向は、アルファベットは+1.3%、残り4社は下落という結果だった。アマゾンに至っては7/30に7.6%下落。
・下落前、5社の株価は過去最高値水準。決算発表後、各社の収益率を懸念し、投資家は株を売却。投資家は冷めているよう。今回の決算内容の重要な点について、以下に挙げる。
1)Eコマース、PC需要の低下
・新型コロナウイルスが終息していく中、アメリカでは人々が生活習慣を変更中。Eコマースは影響を受けている。
・アマゾンの売上高成長率は5月中旬以降、10%台半ばに低下。それまでは30~40%。人々がオンラインではなく、実店舗で購入している。また、これまでEコマースで使われていたお金が、旅行、イベント、外食に向かっている。今後数四半期、同成長率は同じ10%台半ばで推移するとアマゾンは見込む。
・Mac、iPadの売上高はそれぞれ前年同期比16%、12%増(前四半期は70%、79%増)。PC、タブレットの需要減少がわかる。また、半導体不足から、iPad、iPhoneの供給に影響が出る可能性があるとアップルは予想。
2)経済再開が追い風になる広告事業
・アルファベット、フェイスブックの広告事業の売上高は、前年同期比で68%、56%増。アルファベットはYoutube広告が伸びたこと(84%増)、フェイスブックは広告価格が伸びたこと(47%増)が要因。
・アマゾンも広告事業を運営しており、売上高は前年同期比87%増の79億ドル。マイクロソフトも同事業(リンクトイン)を保有しており、前年同期比97%増。広告事業はかなり好調。経済が回復していることが背景にある。
・広告事業の成長の主要因は小売り。その他、旅行、金融サービス、メディア、エンターテイメントも貢献(アルファベット)。
3)DXトレンドに基づくクラウド需要拡大
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の追い風を受け、クラウドユーザーは増加中。アマゾンのクラウド事業(AWS)の売上高は前年同期比37%増。前四半期の32%増も上回る。
・マイクロソフトのクラウド事業(Azure)の売上高は前年同期比51%増。アルファベットの同事業(Google Cloud)の売上高は前年同期比54%増(前四半期は46%増)。
4)その他
・今後の懸念事項として、行政機関が検討している大手ハイテク企業に対する規制がある。
悲観的な話と、今後も期待できる話の両方がありました。記事のタイトルが「大手ハイテク企業の絶好調な決算がこれ以上続かないと思われる理由」だったので、もう少し厳しい内容を期待しましたが、拍子抜けでした。
Eコマース、PC需要が平常時に戻るので、成長率が低下するとのこと。アマゾン、アップル、そして記事には書いていませんがマイクロソフトの成長率は落ち着きそうです。
今後、GAFAMの成長率が低下し、株価も低下するなら、下げたところを狙いたいです。
買うなら、保有しているアップル以外。PER(株価収益率)が比較的低いのはアルファベット、フェイスブックです。ただ、広告、クラウド需要が伸びていくなら、両銘柄の下げはあまり期待できないかもしれません。
今後の株価動向が楽しみです。ひとまず、年内は注目したいと思います。
以上
◆参考文献
SBI証券、バロンズダイジェスト21年8月1日号、"大手ハイテク企業の絶好調な決算がこれ以上続かないと思われる理由"
https://global.sbisec.co.jp/Fpts/tsj/invInfTop/toUsAnaReport