8/23付の日経新聞の記事を読みました。3週間前と少し前の記事ですが、市場の基本的なことを解説してくれる記事で、個人的には参考になる内容でした。以下要約です。
◆要約
・6月中旬以来、アメリカの2年物国債利回りは上昇中。8/18、7月のFOMC議事要旨が公開された後も上昇を続ける。FOMCメンバーの多くが、早期テーパリング(段階的な金融緩和縮小)開始を支持していたため。
・一方で、10年物国債利回りは下落基調(下記グラフ1参照)。
(出典:日経新聞)
・償還期間の短い国債ほど、金融政策に影響を受ける。同期間の長い国債ほど、将来の景気動向に影響を受ける。
・市場はテーパリングに加え、その先の利上げ開始時期前倒しも考慮し始めている。アメリカ10年物国債の(先物のオプションの売買動向から算出される)スキュー指数は8月上旬に+0.8へ上昇。FRBの強気姿勢が理由。同指数は、金利の急上昇に市場が備えるようになると上昇する。
・(中国を除く)新興国株式市場の外国勢による資金流出入金額を調査すると、7月は今年一番の流出。金額は114億ドル(IIF、国債金融協会)。アメリカの金利上昇、ドル相場上昇に伴い、相対的に新興国資産の魅力が減ったことが要因。
・MSCI新興国株指数(27の国、地域の株式市場をカバーする指数)は7月以降、伸び悩む。8/19は年初来最安値をつける。
・金も下落基調。金利なしのため、金利上昇時には下がりやすい(下記グラフ2参照)。8/6に発表された7月のアメリカ雇用統計が市場予想を上回り、テーパリングの織り込みが加速。
<グラフ2>金の「買い持ち高」ー「持ち売り高」
(出典:CFTC)
・次のFOMCは9月21日~22日。ここまでの各種イベントの結果次第で、テーパリングを考慮した取引がさらに加速する可能性あり。
テーパリングが意識され、アメリカ国債市場、新興国株式市場、商品先物市場にはそれがはっきりと表れているとのこと。
私は基本的にアメリカ株式市場しか見ていません。テーパリングが世間で盛り上がるも、あまり影響は出ていなさそうだなと思っていたのですが、明確に出ているようです(^^;
今回読んだ記事の発行から3週間経ちました。今、下記指数の下落基調はひとまず止まっています。
>2年、10年国債利回り推移
https://graphics.reuters.com/USA-BONDS/LJA/gjnpwyblqpw/index.html
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=6month&scode=1681&ba=1
今回読んだ記事は個人的に参考になりました。世の中の動向は掴めるようになりたいので、視野を広げるきっかけにしていきたいと思います。
以上
◆参考文献
1)日経新聞、"緩和縮小にらむ投資マネー 米2年債・新興国株から退避"
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB167LQ0W1A810C2000000/
2)Reuters、"米国債利回りと株価の推移"
https://graphics.reuters.com/USA-BONDS/LJA/gjnpwyblqpw/index.html
3)日本経済新聞、"上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)"
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=6month&scode=1681&ba=1