9/21付のCNBCの記事を読みました。S&P Global Ratings(世界最大手の格付け機関)が、9/20に公開したレポートの内容が記事になっています。デフォルト危機にある恒大集団(中国の大手不動産開発)ついて解説しています。以下、記事の要約です。
◆要約
・中国政府は恒大集団を直接支援しないだろう。同社の問題が複数の同業他社の経営危機にまで波及し、経済にシステミックリスク(特定の問題がその他に波及するリスク)を引き起こさない限り。
・恒大集団だけの破綻では、先に述べた問題には至らないと見込む。
・恒大集団は世界で最も負債を抱える不動産開発企業。約3,000億ドルの負債を抱える。9/23より、債券の利息支払いが始まることになっている。債務不履行になりそうと我々は考える。
・連鎖反応には注意を払うが、中国の銀行セクターは大きな損害なしで、恒大集団のデフォルトを乗り切るだろう。
・恒大集団の経営危機は、Huarong Asset Managementのケースになぞらえることができる。今年の初め、Huarongは期日までの収益レポート開示に失敗し、同社のドル建て債券が急落、株式市場暴落の火付け役となった。
・政府による救済は、不動産セクターで、より重要な財政規律を植え付けるための組織的取り組みを弱体化させてしまうだろう。
・救済の代わりに、政府は個人投資家、及び住宅購入者を保証するため、交渉、及び資金調達を手助けするかもしれない。
・政府は手助けしたいだろうが、自然の流れにまかせたいとも考えている。恒大集団は広東省(同社の故郷)の経済にとって取るに足らない。
恒大集団が抱える懸念事項は現在進行形ですが、今週に入ってから公開されるニュース記事の内容、及びアメリカ株式市場の株価動向をみていると、ひとまず大丈夫かなと感じています。
恒大集団は最終的に倒産するかもしれませんが、そのこと自体はあまり問題になりそうにありません。
記事内でも解説されているように、その他企業、市場への波及には注意したいと思います。
残念ですが、株価の大幅下落はあまり期待できそうにありません(^^; 恒大集団のことは一旦忘れて、世の中の次の展開に目を向けたいと思います。
以上
◆参考文献
1)CNBC、"China likely won’t bail out Evergrande directly unless there’s ‘far-reaching contagion,’ S&P says"
2)日本銀行、公表資料・広報活動,、"システミック・リスクとは何ですか?"
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i06.htm/