10/1付のBloombergの記事を読みました。歴史が示すように、9月は株式市場にとってパフォーマンスの悪い月でした。その悪い状況は9月で終わらず、まだ続く、さらに混乱する可能性があると記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・9月のS&P500指数の下落幅は、2020年3月以来の大きなもの。しかし、投資家の心理は極端に悪くなっていない。それを逆に不安視する投資家もいる。
<グラフ1>VIX指数(恐怖指数)推移
(出典:Bloomberg)
・9月末の下落時も、ヘッジファンドの売りは小さい(ゴールドマンサックス)。
・9/28のS&P500指数の下落幅は4か月ぶりの大きさ。それでも、ETFからの流出金額は前週よりも大幅に少ない(9/20の120億ドルに対し、9/28は17億ドル)。
・一方で、S&P500指数が大幅下落しても買いに繋がっていない。過去に、下落局面で押し目買いが発生したのとは違う状況になっている。
<グラフ2>S&P500指数、及び同100日、200日移動平均線推移
(出典:Bloomberg)
・今回の株価下落は、アメリカ長期国債利回りの急落がもたらしたテクノロジー(高PER)銘柄の下落、アメリカ政府の債務問題、サプライチェーンに対する懸念、アメリカ金融当局に対する批判の高まりが要因。
・1年前、アメリカ長期国債利回りが上昇した際、S&P500指数は10%調整。今回も同様のパターンになると見込む。今のFedはタカ派寄り。市場にはより一層の混乱が起きる可能性あり(ミラー・タバク、アメリカの証券会社)。
・今回の株価調整はより大きなもになると見込む。テーパリング(段階的な金融緩和縮小)が間近に迫り、早期の利上げ開始が見込まれているという背景があるため(ミラー・タバク)。
記事で解説されているように、直近の株価の動きはこれまでとは異なっているようです。
今までは大きく下落しても、すぐに買い戻され、下落は続きませんでした。直近では今のところ、買戻しが発生していないようです。主要株価3指数はいずれも下落基調です。
テーパリングが迫る中、株式市場に影響しそうな懸案事項は多く残っており、さらなる下落を期待してしまいます。
これまでだとすぐに上昇基調に戻り、期待は裏切られましたが、今回(年内)は少し期待を高めたいと思います。
以上
◆参考文献
Bloomberg、"米国株にとって悪い月だった9月が終了-混乱さらに強まるとの見方も"
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-01/R09NALDWLU6F01