SBI証券のウェブサイトに掲載されているバロンズダイジェストの記事を読みました。8月15日付のものです。少し前の記事ですが、メタバース(インターネット上の仮想空間)という聞きなれない言葉について解説されていたので、気になりました。以下、記事の要約です。
◆要約
・フェイスブックの2021年Q2の決算発表(21年7月)で、マーク・ザッカーバーグCEOはメタバースについて言及。将来のフェイスブックの事業は、メタバースが中心となると同氏は述べた。
・これはフェイスブックがSNS企業から変わろうとしていることを示し、投資家は注意が必要。
・メタバースは3次元の仮想空間。IT企業の次の事業領域、インターネットの次。交流、ゲーム、仕事、コンテンツ消費など、この空間の中でユーザーが生活するようなもの。
・今のメタバースは初期段階。その言葉の定義も構築しているところ。リアルタイム、現実世界と繋がる、機能的な経済を含む、などが特徴(マシュー・ボール氏、ベンチャーキャピタリスト)。
<グラフ>企業が公開する文書で"メタバース"に言及された数の推移
(出典:Sentieo)
・メタバースのETFも存在する。Roundhill Ball Metaverse ETF(META)はエヌビディア(NVDA)、テンセント、ロブロックス(RBLX、オンラインゲームプラットフォーム)、マイクロソフト(MSFT)、ユニティソフトウェア(U、リアルタイム3次元コンテンツ)などから構成される。
・大手ハイテク企業はメタバースに取り組む体制をすでに整えている。アルファベットはアンドロイド、フィットビット(スマートウォッチ)、ネスト(スマートホームデバイス部門)、ウェイモ(自動運転技術部門)、ヘルスケア事業部門を持つ。
・アマゾンはエコー(スマートスピーカー)、アレクサ(音声対話型AI)、AWS(クラウドコンピューティング部門)を持つ。
・アップルはメタバースという言葉に言及したことはないが、拡張現実については、同社CEOは関心を持っていることを2016年以降、公に発表している。
・マイクロソフトは複合現実(現実世界をデジタル映像と組みわせる技術)の強みをユーザーに提案中。複合現実を使い、課題を解決する事業に取り組む。エアバス、トヨタ自動車、ロレアル、インテル(INTC)、アメリカ陸軍が顧客の一例(マイクロソフトCEO)。
・フェイスブックはメタバースに関して、その他大手ハイテク企業よりも課題が多い。OSを他社に依存しているため。同社の強みはリアリティー・ラボ事業。ここで、仮想現実、拡張現実の研究を行う。同社が持つ仮想現実ヘッドセット(オキュラス・クエスト)は販売数増加中。スマートヘッドグラスのリリースも控えている。
メタバースと言う言葉は、私はこの記事で初めて見たかもしれません。要は昔からある仮想空間、仮想現実というやつですね。それがアップデートされたものと捉えます。
上記のグラフで示されているように、メタバースという言葉が使われるようになったのは、最近のようです。
個人的には仮想現実というものに興味はありませんが、新たなビジネスの領域になるかもしれませんので、頭には入れておきます。
メタバースが盛り上がることでどんな企業が恩恵を受けるのか、大手ハイテク企業はもちろんですが、その他どんな企業があるのか考えていみたいと思います。
以上
◆参考文献
SBI証券、バロンズダイジェスト8月15日号、"仮想空間「メタバース」の時代が到来"
https://global.sbisec.co.jp/Fpts/tsj/invInfTop/toUsAnaReport