バロンズダイジェスト(12/19号)の記事を読みました。SBI証券のウェブサイトに掲載されているものです。2022年のテクノロジー銘柄の株価動向に注意を促す内容です。以下、記事の要約です。
◆要約
・ナスダック指数は2020年に43%、2021年はここまで18%上昇。しかし、今は厳しい状況にある。
・コロナ下で大きく上昇した在宅銘柄の多くは株価が下落。特に、ズームビデオコミュニケーションズ(ZM)、ペロトンインタラクティブ(PTON)、ロク(ROKU)、チェッグ(CHGG)、チューイ(CHWY)、ドキュサイン(DOCU)は50%以上下落。
・金利上昇の観測から、高PERのグロース株も下落。アークイノベーションETF(ARKK)は11/1以降、36%下落。
・少なくとも2022年Q1はテクノロジー銘柄にとって厳しい環境になる。利上げ前の今は慎重になりたい(ループベンチャーズ、アメリカの投資会社)。
・弊社の予測では金利1%上昇で、テクノロジーセクターの超大型株は10%、さらにリスクの高い株は20%、リスクが高まる(ループベンチャーズ)。
・2021年はミーム株、SPAC投資家が目立った。2022年はうまく銘柄選定できる投資家の年になるかも(ループベンチャーズ)。
・今は金融緩和状態が大幅に縮小される手前。ここ数年は(短期でリターンが期待できる)グロース株が市場をアウトパフォーム。金利上昇でその動きが反転する(Columbia Seligman Technology and Information Fund)。
・2022年は現金の年。FRBによる大規模金融緩和政策で市場は利益を得てきた。インフレが継続し、人々の生活が苦しくなり始める時、状況は変わる。2022年、全てのテクノロジー銘柄は厳しい環境下に置かれる(サトリファンド、アメリカの投資ファンド)。
・テクノロジーセクターにとって2022年は厳しい年。しかし、クラウド、ネットワーク機器、半導体は別。
・クラウドならアマゾンドットコム、マイクロソフト、オラクル(ORCL)。クラウドが減速する兆しはない。
・ネットワーク機器はアリスタネットワークス(ANET)、シエナ(CIEN)、シスコシステムズ。エバーコアISI(アメリカの投資銀行)は3銘柄とも推奨。メタによるメタバースへの投資はかなりの部分がインフラを占める。
・半導体は未だ不足。2022年も半導体銘柄の上昇が見込める。ゴールドマンサックスアセットマネジメントはオンセミコンダクター(ON)、ウルフスピード(WOLF)、KLA(KLAC)を推奨する。自動車向け半導体需要を見込んでいる。
・Columbia Seligmanも自動車向け需要を期待。アナログデバイセズ(ADI)、マイクロチップテクノロジー(MCHP)、NXPセミコンダクター(NXPI)、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチを推奨。
・Columbia Seligmanはさらにインテルも推奨。同社の傘下にある自動運転技術のモービルアイのスピンオフに期待している。インテルCEOの戦略は正しいと考える(Columbia Seligman)。
コロナからの回復、金融緩和縮小から、2022年のテクノロジー銘柄の株価動向は厳しくなると、記事では解説しています。
私も金利上昇には警戒しているので、大幅下落時用の投資資金は確保しておきます。
テクノロジー銘柄から資金は流出していくと思いますが、それでも大手ハイテク株は変わらず買われるような気がします。将来も安泰なので、困った時の大手ハイテク株ということで、上昇基調は続くと思います。
半導体関連銘柄が2022年も支持されるかは自信がありません。長期的な視点では心配していませんが、2022年は半導体の需給ひっ迫状況が落ち着きをみせて、株価上昇が止まるかもしれません。
来年、金利上昇の時期がみえてくるであろうQ1は、市場の反応をみたいため、様子見姿勢を続けようと思います。
以上
◆参考文献
SBI証券、バロンズダイジェスト21年12月19日号、"2022年はハイテクに厳しい年か"
https://global.sbisec.co.jp/Fpts/tsj/invInfTop/toUsAnaReport