1/22付の日経新聞の記事を読みました。今年に入り、ナスダック指数は大きく下落しています。今のペースは過去最悪とのこと。今後の同指数の見通しについて記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・1/21終値時点で、ナスダック指数は今年に入り12%下落。1月の下落幅としては過去50年間で最悪のペース。FRBによる金融引き締め政策加速への懸念が主に背景にある。
・直近3回の利上げ時、株価の上下はあるが、ナスダック指数は上昇基調。よって、金融引き締めが必ずしも株価下落に繋がるわけではない。
・通常、景気回復時にFRBは利上げを行う。景気回復時は企業収益も伸びる。そのため、利上げ局面では株式市場は企業収益に基づき動く。
・利上げ局面である今回も、同じように動くと予想する専門家が多い。しかし、ハイテク株は異なる可能性あり。
・ハイテク企業の多くは、成長のピークが過ぎている可能性あり。在宅勤務、巣ごもり需要、アメリカ政府による現金給付など、企業、人々の生活のデジタル化が加速したことが理由。ネットフリックスの1/20に発表した四半期決算が良い例。
・ナスダック指数を構成する企業の中で、時価総額トップ100の1年間の売上高営業利益率は平均20%(21年12月時点)。これは、ITバブル時の19.3%(2000年1月)を超える。また、同トップ100社の2021年1株当たり売上高は前年比+21%。これは11年ぶりの高い数値(Quick、FactSet)。
・ここ数年、ハイテク株の上昇基調が続いたのは、金融緩和の追い風だけではなく、企業業績の成長もあったと考えるべき。1/24週よりハイテク企業の四半期決算発表が本格化するが、ネットフリックスと同様、市場予想を下回る結果を発表する企業が続くと考える。
・次週(1/25~1/26)のFOMCでFRBは、テーパリング(金融緩和縮小)終了時期を、3月半ばから2月半ばへ前倒しすることを発表するだろう。資産圧縮の協議を始める前に、テーパリングを終了させるため(アメリカ野村證券)。
・FOMCがあり、ハイテク企業の決算発表が本格化する1/24週は今後を占う1週間。金融相場だけでなく、業績相場の調整も加わる可能性があるため。
(ハイテク企業)の業績相場の調整が始まっているかもしれないという見解は参考になりました。私はそこまで考えていませんでした。
新型コロナウイルス感染拡大により、企業、人々の生活のデジタル化が一気に加速、多くのハイテク企業の成長はピークが過ぎているという仮説は説得力があります。
ハイテク企業の多くが、というのは言い過ぎかもしれませんが、成長のピークを過ぎたハイテク企業株の調整が続くことで、その他ハイテク企業銘柄も釣られて売られる可能性があります。
FOMCだけでなく、企業の決算発表も楽しみになってきました。1/24からの株式市場の動向にも注目したいと思います。
以上
◆参考文献
日経新聞、"史上最悪ペースのナスダック、調整する「2つの相場」"
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00003_S2A120C2000000/