1/19付のBloombergの記事を読みました。マイクロソフトがゲームソフトウェア会社であるアクティビジョン・ブリザード(ATVI)を(687億ドルで)買収する話です。記事は、アクティビジョン・ブリザード買収に至った理由を5つのポイントにまとめています。以下要約です。
◆要約
1)規模
・ゲーム業界で世界1位は中国のテンセントホールディングス。2位はソニー。アクティビジョンの買収が承認されれば、マイクロソフトは世界第3位となる。
・夢、大志実現のためにはパートナーが必要。競合(テンセント、アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックなど)は巨大(アクティビジョンCEO)。
・世界中の人々に喜びと一体感を届けたい(マイクロソフトCEO)。
2)モバイル
・携帯電話がNo.1のゲーム機(マイクロソフトゲーミングCEO)。
・モバイルはゲーム市場で一番成長率が高い分野。
・アクティビジョンは傘下にゲーム制作会社「King」を持つ。Kingはモバイル向けゲームを製作し、それらの1つは「キャンディークラッシュ」。
3)手数料回避
・ゲーム販売の制約を減らしたい。アップルのサービスである「App Store」を経由させずに(手数料を回避し)ゲームを提供したい(マイクロソフトCEO)。
・モバイル向けゲームの販売は大手2社(アップル、グーグル)が支配。この制約がある環境をなくしたい(マイクロソフトゲーミングCEO)
4)メタバース
・マイクロソフトのメタバース事業の柱はMicrosoft 365(旧Office 365)とゲーム。
・マイクロソフト単独でメタバースは創らない。我々はメタバース上で動く各種プラットフォームをサポートする(マイクロソフトCEO)。
5)3つのC
・Cloud、Content、Creators、マイクロソフトの戦略はこれら3つのCに基づく。
・アクティビジョンのコンテンツ(Content)をマイクロソフトの定額サービス「Xbox ゲームパス」の対象にする(マイクロソフト)。今回の買収でクリエータ(Creators)も取り込むことができる。
私はゲーム業界のことをほとんど知りませんので、今回の記事は私にとってちょうど良い内容でした。
個人的には競争は歓迎します。競争することで、より良いものが世の中に出てくることを期待します。マイクロソフトにはアップル、グーグルに対抗してほしいので、買収が承認されることを期待しています。
メタバースとゲーム業界(人材含む)は親和性が高そうなので、今後が楽しみです。マイクロソフトはMicrosoft 365という強力なサービスも保有しているので、同社の今後には期待してしまいます。
記事によると、マイクロソフトはメタバースの多くのプラットフォームをサポートする必要があると考えているとのこと。これがどのような事業に繋がっていくのか楽しみです。同社のメタバース事業に関する取り組みにも関心を持っていきたいと思います。
以上
◆参考文献
Bloomberg、"マイクロソフトがアクティビジョンを買収する5つの理由"
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-19/R5XP7WDWX2PS01