3/11付のBloombergの記事を読みました。元バンクオブアメリカストラテジストの方が、今後のアメリカ株式市場の動向について見解を述べています。以下要約です。
◆要約
・ウクライナでの戦争が長期化するリスクを市場は織り込めていない。現在の戦争は第二次冷戦の予行演習。
・2013年、テーパータントラム発生時はアメリカ長期国債が売られ、それが各種資産の売却に繋がった。このVaRショック(相場の変動が大きいと、保有可能な資産額が急減すること)が再び起こるのではと私は考える。
・リスクパリティ(ポートフォリオ内の各種資産のリスクを均等にする)戦略をとるファンドが保有する資産は数兆ドル。
・株式、債券が一緒に下落することがあれば、VaRショックは大きくなり、先のファンドはポジションを解消する。
・現在の株価は相当な割高。ボラティリティが利益をもたらす金融派生商品の価格も相当な高さ。
・アメリカ株が安全だと考える投資家が多すぎる。次にポートフォリオ内で大きなローテーションが起きる場合、それはアメリカ株から現金への移動になる。
記事で登場する元バンクオブアメリカストラテジストはDavid Woo氏という方で、逆張り(下落時に買い向かう)投資家として記事内では紹介されています。
現在、株価は下落基調です。ここからさらに株式から現金への資金移動が起こる可能性があると、同ストラテジストは警告しています。
現在のロシア、ウクライナ間の戦争を「第二次冷戦のリハーサル」と表しています。これには同意します。
両国が停戦で合意すれば、株価は大きく上昇すると思います。ただ、その後が心配です。ロシアがどう行動するのか、各国がロシアに対する制裁をいつ解除するのか、懸念がたくさんあります。
もし冷戦状態になるなら、企業が今まで通り収益を上げられるのか不安です。今は追加投資よりも、戦争後の世界経済がどうなるかをまずは見てみたいという思いの方が強いです。
以上
◆参考文献
1)Bloomberg、"逆張り投資家のウー氏、VaRショックを警告-「第二次冷戦」で"
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-11/R8KJJ7DWRGG101
2)大和証券、金融・証券用語解説、"VaRショック"
https://www.daiwa.jp/glossary/YST1222.html
3)SMBC日興証券、初めてでもわかりやすい用語集、"リスクパリティ"
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ri/J0766.html