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インテルの5つの重要戦略。事業多角化、PC依存脱却も図る。

4/18付の日経新聞の記事を読みました。元ネタはアメリカのCBインサイツ(市場調査会社)のレポートです。インテルの戦略について解説しています。同社の投資活動を精査したものが基になっています。以下、記事の要約です。

 

◆要約

インテルの2021年の売上高は790億ドル。売上高では世界2位の半導体企業(1位はサムスン電子)。インテルは2025年までに再度売上高1位の座を獲得するため、AI、自動運転、クラウド、サイバーセキュリティ、半導体設計・製造、以上5つの分野を注力事業と位置づけ。買収、出資、提携などの手段を活用し、積極的に各企業と事業を進める。

<図>インテル戦略マップ

(出典:CB Insights)

・以下、インテルの5つの重要戦略。

1)AI

・ここ5年、インテルはAI企業へ積極的に投資中。分野は機械学習、データサイエンスがメイン。

・2018年、アメリカのVertex.aiを買収。同社はPlaidMLというオープンソースディープラーニングエンジンを開発。インテルのAI処理、及び画像データのエッジ処理専用プロセッサ開発部門に、Vertex.aiの事業を統合。

・2020年、イスラエルのCnvrg.io、及びアメリカのSigOptを買収。前者はデータサイエンス向け機械学習モデルの構築、及びそれを自動化するためのプラットフォームを開発。後者は実験、試験、最適化を行うプラットフォームを開発する。

インテルはAI Builders and Solutions Marketplaceというプラットフォームを通じて、195のサービスを提供中。ディープラーニングアプリ開発の支援ツール(Open VINO)も開発中。

アメリカのProprio、中国の匯医慧影(HY)など、ヘルステックとの提携、出資も進行中。Proprioは外科手術を可視化するシステムを、匯医慧影は診断、治療のシステムを開発。インテルはヘルステック向けに自社が保有するAI技術、データを活用することが目的。

2)自動運転

・2017年、イスラエルのMobileyeを買収。同社は車の運転支援システムが専門。

ミシガン大学が持つMcity、自動運転の実験施設へ出資。

・2020年、イスラエルのMoovitを買収。同社は交通のデータを収集し、解析を行う。

・最近、ドイツのSixtと提携。同社はレンタカー会社。インテルのMobileye Driveを使い、自動運転を実験する。

3)クラウド、コネクティビティ

インテルはPCへの依存度を低下させるため、この分野に注目。

・2021年、ポーランドのRemoteMyAppを買収。クラウドインフラ、クラウドゲーム市場への参入が目的。また、中国のJD Cloudとも提携。同社はメモリの障害を低減する技術を持つ。

アメリカのSmart Edgeも買収。同社が持つ技術を活用し、分散化させたクラウドシステムの下、自社ネットワークの構築、AI、エッジ能力を補強する。

イスラエルのGranulate Cloud Solutionsを買収。同社が持つソフトウェア技術を活用し、システムのワークロード性能を高める。

イスラエルのScreenovateを買収。同社はPCとモバイル機器の接続に関する技術を持つ。インテルが、自社CPUとPCとの相性を高めるため。

フィンランドノキアと提携。プライベート5Gネットワークについて実験中。インダストリー4.0向け。

4)サイバーセキュリティ

・カナダのブラックベリーと提携。"クリプトジャッキング"対策が目的。クリプトジャッキングに感染すると、感染したPCで暗号資産の採掘が行われる。

・2021年、マイクロソフト、及び(アメリカの国防総省に属する)国防高等研究計画局(DARPA)と提携する。仮想空間内でのデータ保護の促進活動が目的。

マイクロソフト、ゴールドマンサックスと提携。サプライチェーン強化が目的。特に耐性と安全性。

・2021年、アメリカのロッキード・マーチン、及びORock Technologiesと提携。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野が対象。HPCに関わる負荷の安全性を高めることが目的。

5)半導体設計、製造

アメリカのIneda Systems、Centaur Technologyを買収。半導体設計技術者獲得が目的。

・2018年、アメリカのeASICを買収。同社は、従来からあるASIC(特定用途向けIC)と比較し、性能、コスト面で有利となるASIC技術を保有する。

アメリカのNetSpeed Systemsを買収。同社は、SoC(Systen on a chip)の設計自動化ツールを供給する。

・イギリスのOmnitekを買収。OmnitekはFPGAField Programmable Gate Array、回路を書き換え可能なIC)を開発。

インテルアメリカのSemtechと提携。LiDAR(レーザーを使った高性能センサ)向け半導体の共同開発が目的。

イスラエルのTower Semiconductor(チップ受託製造会社)を買収。同社の設備、顧客をインテルは引き継ぐことができ、チップ受託製造事業の強化に繋がる。

アメリカのQualcommと提携。Qualcommファブレス半導体メーカー。同社はインテルにチップの製造を委託予定。

アメリカのEsperanto Technologiesと提携。同社は低消費電力のハードウェアプラットフォームを開発する。AI、機械学習ディープラーニング向けが得意。インテルと共同でCPUを開発しており、インテルへのチップ生産委託も視野に入れる。

インテルはチップ製造事業の強化のため、IBMと提携。両社で2nmの製造プロセスについて研究中。現在インテルは10nmプロセスの、同事業最大手の台湾TSMCは5nmプロセスの製品を生産中。

 

インテルが投資をする企業だとは聞いたことがありますが、こんなに多く、買収、出資、提携しているとは知りませんでした。大手ハイテク企業はこの程度のことはやっていると理解しておきます。

記事で挙げられているインテルの5つの注力事業は、同社に限らず今後の成長が大いに期待できる分野です。改めて認識しておきたいと思います。

インテル半導体メーカーであり、チップ受託製造会社です。今回、記事で解説されている5つの事業は半導体メーカーとしてだけでなく、新たな事業として育てているようです。

今回の記事を読むと、インテルは将来は期待できそうですが、株価動向をみるかぎり、市場は期待していません。甘くないですね。個人的には期待しているので、株は保有し続けたいと思います。

以上

 

◆参考文献

1)日本経済新聞、"インテル半導体の首位奪還へ 鍵握る5つの投資戦略"

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11CWZ0R10C22A4000000/

2)TECHBLITZ、"手作業で行われていたパラメータ調整を自動化SigOpt"

https://techblitz.com/sigopt/