5/5、5/6付のBloombergの記事を読みました。5/5付のものは、シエラインベストメントマネジメントの共同創業者であるDavid Wright氏(78)のインタビュー内容が、5/6付のものは、バンクオブアメリカが顧客に宛てたレポートの内容が解説されています。何れも弱気なコメントです。以下、要約です。
◆要約
>>>シエラインベストメントマネジメント、5/5付の記事
・David Wright氏運営のシエラ・タクティカル・オール・アセット・ファンドは、2008年の金融危機時、損失はほとんどなし。2020年も他社と比較し、損失は少なかった。ドットコムバブルが弾けた時、同氏が当時運用していたファンドも損失なし。
・これから先の株価動向は、先の相場とは比較にならないほど厳しいものになる。年初来、株価、債券は大きく下落。ここからさらに下落するだろう(David Wright氏)。
・今回は、私の人生の中で最も厳しい弱気相場。野球に例えるとまだ2回(David Wright氏)。
・ウクライナ紛争、FRBによる金融引き締め、インフレ、中国のロックダウンなど懸念材料は多く、David Wright氏と同様な考えを述べる弱気派が増えている。
・現在のアメリカの家計が持つ資産は過去最高の150兆ドル。アメリカGDPの6倍超。この差は世界最大。我々の自己満足はピークに達している(David Wright氏)。
(出典:Federal Reserve)
・若い人は、これからやってくる下落相場がどこまで下がるか、何が要因なのか、想像できないだろう(David Wright氏)。
>>>バンクオブアメリカ、5/6付の記事
・アメリカの株価はまだ底値に達していない。また、債券利回りもまだ上昇する(バンクオブアメリカ)。
・(5/3~5/4の)FOMC前、1週間で大半の資産クラスが売られた。不動産からの流出金額(22億ドル)は過去最大。流出した資金は(アメリカ国債など)安全資産に流入した(バンクオブアメリカ)。
・5/5は主要株式指数、大半の債券相場が大幅に下落。
・投資家はポジショニングを決めることにマヒしている。インフレ、成長率低下をどのように織り込むかに悩んでいる(バンクオブアメリカ)。
・市場は景気後退を急速に織り込んでいる。22年1~6月期の経済見通しは市場の想定以上に良好、そのため、さらなるインフレ、その長期化、また、金融引き締めが厳しいものになると市場が想定していることが背景にある(バンクオブアメリカ)。
最近の記事を読んでいると、(不確定要素が多く)今年後半、来年の景気はどうなるかわからないとコメントする強気派の意見も見かけます。
今回読んだ記事で登場するDavid Wright氏が言う「人生の中で最も厳しい弱気相場」は極端な意見かもしれませんが、今まで以上に警戒しようと、今回の2つの記事を読んで思いました。私は弱気派なので、弱気の専門家の意見に影響を受けやすいです。
年明けからの株価下落は3月中旬に止まり、上昇に転じました。そのまま上昇基調が続くかなと思いましたが、4月からは再び下落基調になっています。
今の下落基調が個人的には不気味です。今回読んだ記事でも取り挙げられている各種懸案事項はすぐには終息しそうにないので、世界経済の混乱、株価の下落基調は続きそうと感じます。次は6月のFOMC(6/14~6/15)を目安に様子見を続けます。
以上
◆参考文献
1)Bloomberg、"歴史的な相場下落はまだ終わっていない-BofAストラテジスト"
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-06/RBGFIUT1UM0Y01
2)Bloomberg、"78歳の超ベテラン投資家、「人生最大の弱気相場」に備える"
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-04/RBD2QMT1UM1201