4/22付のReutersの記事を読みました。円安がどんどん進んでおり、その先に起こりうる家計による対外直接投資について記事は解説しています。以下要約です。
◆要約
・現在の円安水準は20年前と同等。また、この20年間、日本の物価上昇率と比較し、アメリカの上昇率は約50%も高い。そのため、実質的には50年ぶりの円安水準。つまり、円の力は見た目以上に大きく下落している。
・2013年頃より円安基調。円安の要因は日本企業による海外投資の増加。貿易構造の変化により、貿易黒字を拡大するのが難しくなった。
・外国と金融政策が異なるのも円安の理由。世界はディスインフレからインフレへ移行しているが、日本は変わらずインフレ率が上昇しない。日本の場合、金融政策よりも経済構造が影響していると考える。
・企業に続き、一般家庭が海外投資を始めることに日本は警戒する必要あり。一般家庭が持つ金融資産の半分(1,000兆円)が円建てでの預金。これまでは海外投資の動きはなかった。
・しかし、今回は違うかもしれない。過去は、日本は豊かな国で円の購買力は強いと日本人は考えていた。今は他国よりも貧しくなっていると、日本人は感じている。
・これまでも外貨は買えたが、銀行に出向く必要があり、1ドルの場合、3円を支払っていた。今は、いつでもオンラインで安価に外貨を購入可能。日本での物価高騰をリスクヘッジするため、海外旅行のため外貨を保有するという考えが浸透した時、一般家庭にとって、過去よりも外貨購入のハードルはかなり低い。これを推奨するユーチューバーも多い。
・日本円を保有する人の大半は高齢者。しかし、今の高齢者はスマホを使い、60歳代は海外旅行にも出かけてきた世代。今の高齢者は昔と違う。
・外貨購入規制の話が出てくるかもしれない。しかし、その可能性が浮上してきた時、一般家庭による対外直接投資が進行する。これは、新興国が通貨危機に陥るパターン。
最近は円安が極端に進んでいますので、為替に関する記事が目に留まるようになってきました。
記事で指摘されているように、家計による対外直接投資が始まる可能性があることは頭に入れておきます。
為替が$1=115円くらいになったら、ドルを買おうと思います。今回の大幅な円安で、将来、そう遠くないうちに円の価値が大きく下がるかも、ということを考えさせられました。アメリカ株を買うためだけではなく、リスクヘッジのため、ドルを保有する習慣を身につけようと思います。
以上
◆参考文献
Reuters、"コラム:本当の円安危機、1000兆円の家計が外貨買いに走る時に到来か=佐々木融氏"
https://jp.reuters.com/article/column-toru-sasaki-idJPKCN2MD0E3